【新日本プロレス】棚橋がIC王座V2 飯伏を逆指名 オカダはEVILにKOされ王座戦に暗雲

高木裕美

オカダvs.EVIL、内藤vs.石井の前哨戦はLIJが圧勝

神戸、広島の前哨戦はLIJが勝利。オカダはEVILに屈辱を味わった 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 第7試合では、CHAOSのオカダ・カズチカ&石井智宏&矢野通&ウィル・オスプレイ&外道組と、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也&EVIL&SANADA&BUSHI&高橋ヒロム組が10人タッグで対戦。両国でIWGPヘビー級王座を争うオカダとEVIL、IWGP王座挑戦権利証を争う内藤と石井が火花を散らすも、LIJが猛威を振るい、CHAOSに対しては悪夢のような展開となった。

 内藤は広島カープとのコラボTシャツで登場し、地元ファンの大歓声を受けると、石井と激しいエルボー合戦を展開。一方、オカダはEVILに対し、リバースネックブリーカー、ダイビングエルボードロップを繰り出すと、EVILを阻止してドロップキック。だが、EVILもレインメーカーをかわしてEVILをついに決めると、試合もBUSHIが外道にエムエックスで勝利。勢いに乗るLIJは試合後に悪の本領を発揮し、EVILはイスを重ねた上へのダークネスフォールズでオカダをKOすると、全員でオカダを踏みつけながらのグータッチ。一方、内藤も花道上で石井の痛めた右ヒザにスライディングキックを放つと、リングまで追いかけてきたところを変形の足4の字固めで捕獲。前哨戦ではLIJが“圧勝”した。

ウォーマシンが3WAYを制し防衛

ウォーマシンが3WAYに勝利し、タッグ王座防衛 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 IWGPタッグ選手権試合3WAYマッチでは、ハンソン&レイモンド・ロウのウォーマシンが、タマ・トンガ&タンガ・ロアのゲリラズ・オブ・デスティニー、ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.のK.E.Sの挑戦を退け、V3に成功した。

 同タイトルは9.10福島、広島、9.24神戸の3大会において、この3チームによって3連戦で争われる。福島ではウォーマシンがフォールアウトでロアに勝利。この日も王者組はパワー、スピード、チームワークを存分に発揮した上で、ロウのヒザ蹴りから合体技のファールアウトでスミスから勝利した。

 とはいえ、早くも1週間後にはもう一度タイトル戦が組まれているため、いくら他の2チームを倒しても、神戸でベルトを奪われればそれまで。前王者組であるゲリラズ・オブ・デスティニーとしても、ようやくタッグ戦線復帰を果たしたK.E.Sとしても、神戸でベルトを奪い取り、10月の両国、さらに年末のタッグリーグ戦で“主役”の座に君臨したいという思惑がある。この3チームの混戦バトルに、日本レスラーたちの血も騒ぎ出せば、さらにタッグ戦線は混沌としてきそうだ。

タグチジャパンが防衛 ロメロが「ロッポンギ3K」結成を予告

田口監督(右)が金丸をしとめジュニアタッグ王座防衛 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 IWGPジュニアタッグ新王者のタグチジャパンこと田口隆祐&リコシェ組は、鈴木軍のタイチ&金丸義信組を下し初防衛に成功。試合後、この日を最後にバレッタとのロッポンギヴァイスを解散したロッキー・ロメロが、新パートナーとの「ロッポンギ3K」での王座挑戦をアピールした。

 タグチジャパンは8.13両国大会でマット・ジャクソン&ニック・ジャクソンのザ・ヤングバックスから王座を奪取。だが、その直後にバックステージで田口がタイチのディーヴァであるあべみほさんのだまし討ちにあい、特殊な性癖を露呈した上に、王座挑戦まで受けるハメになった。

 田口はタイトル戦でもいつも通りの迷采配。タイチに尻を木槌で殴打されたり、ウィスキーを飲まされたりと再三のピンチに陥りながらも、リコシェの八面六臂の活躍に救われると、かつてのApollo55(田口&プリンス・デヴィット)時代の合体技ブラックホールバケーションも披露。最後は田口のオーマイアンドガーアンクル&リコシェのファイヤーバードスプラッシュで金丸を仕留めた。

 試合後、ロメロが現れ、自らを「ロッキー監督」と名乗った上で、「おまえたちより、デカくて、強くて、素早い相方を連れてくる」と新タッグ、ロッポンギ3Kでの挑戦を表明。これに対し、リコシェも「オレたちがベルトを防衛する。フォーエバー」と、ロメロの決め台詞を奪って挑発し返した。

 なお、ロッポンギヴァイスはラストマッチで高橋裕二郎&チェーズ・オーエンズ組と対戦。15年3月の結成以来、4度も同王座を戴冠した名コンビらしく、最後はオーエンズを合体技のストロングゼロで粉砕し有終の美。試合後、裕二郎が「バレッタ、マジでヘビー級に来るのか? おまえにはハードすぎるぞ。新日本のヘビー、ナメるなよ。これ、マジ」と言い放ち、シングルマッチを提案。ヘビー級転向の先輩として、タフでパワフルな洗礼を浴びせると予告した。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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