W杯予選で招集された日本代表を振り返る コンディション重視、明確なハリルの基準

W杯予選で突出した数字を残す本田

ハリルホジッチ監督の起用法にはどんな傾向があるのか。W杯予選を振り返る 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 日本代表はワールドカップ(W杯)ロシア大会の2次予選と最終予選、合わせて18試合を戦ってきた。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は53人の選手を招集してきたが、試合で起用されたのは37人。その起用法にはどういう傾向があるのだろうか。

 ここまで全18試合にフル出場している選手は吉田麻也1人だけ。もちろんけがなどによる主力選手の欠場もあるが、その時に調子の良い選手を起用する傾向が強い。選考の際のスカウティングもそうだが、合宿でもハートレート(心拍数)などのフィジカルデータを取り、試合で良いパフォーマンスができるかどうかのバロメーターにしている。

 コンディションが悪ければ使わない。それは実績のある香川真司や本田圭佑も例外ではないが、メンバー選考の段階では優遇されていると見られても仕方ない。その大きな理由は、ここまで数字上で結果を出しているからだ。期待の高さから、少しでも良くないプレーをすると指摘されやすい選手たちだが、W杯予選で本田圭佑は7得点5アシスト、香川真司も6得点3アシストを記録している。

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 それでも、コンディションに不安があれば別の選手に先発チャンスが与えられていることも確かだ。彼らに次ぐ結果を残しているのが原口元気。最終予選では4試合連続ゴールを挙げて救世主的な働きぶりを見せた。その原口は最終予選で7試合連続スタメンを飾るなど、全体でも吉田の次に起用されている選手だ。久保裕也は昨年11月にハリルホジッチ体制で初招集されると、アウェーのUAE戦でいきなり1得点1アシスト。続くホームのタイ戦でも1得点1アシストを記録し、本田から右ウイングのポジションを奪う格好になった。

中盤は交代カードを切る機会が少ない

【データおよび画像提供:データスタジアム】

「国際経験」と「クラブでのパフォーマンス」、さらに「代表戦での活躍」という3つの基準があり、全てをハイレベルに満たしている吉田が予選の全試合にフル出場しているのは当然とも言える。もっとも、ディフェンスよりオフェンスの方がオプションを選択しやすく、交代カードを切りやすいという理由もある。FWの選手では本田、原口、岡崎慎司が出場時間ベスト3で、最終予選の後半に台頭した大迫勇也と久保が一気に出場時間を伸ばしてきている。だがこれまで16人が出場していることから、公式戦でも多くの選手にチャンスを与えやすいポジションになっている。

 中盤も11人が出場しているが、FWは10人が3試合以上に出ている一方で、MFは6人と少ない。特に守備的MFはイラク戦で井手口陽介が負傷交代したようなアクシデントを除き、交代カードを切る機会が少ない。基本的に、中盤の選手には90分を通したプレーを求め、前線は勝負のカードを切られやすいということだ。

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