【DDT】20周年目の両国は竹下がV7で飾る ディーノがDDT新プロデューサー就任

高木裕美

「ハラシマルフジ」がタッグ王者に 丸藤は早くも「路上」でDDTの洗礼へ

入江&樋口組を破り、タッグ王座を奪ったHARASHIMA&ノア・丸藤 【写真:前島康人】

 セミファイナルのKO−Dタッグ選手権試合では、HARASHIMAとプロレスリング・ノアの丸藤正道による「ハラシマルフジ」が、入江茂弘&樋口和貞組を破り初戴冠した。だが、ノアのGHCタッグ王座(パートナーはマイバッハ谷口)と合わせ2冠王となった丸藤に、早くもDDTの洗礼。次の防衛戦は高木三四郎&男色ディーノ組を迎え、9.20東京・宮地鉄工所での路上プロレスとなることが決定した。

 入江組は筋肉少女帯の新曲「T2(タチムカウver.2)」で入場。曲を製作した大槻ケンヂさんがリングサイドで見守り、絶対に負けられない状況の中、樋口がぶちかましで丸藤を吹っ飛ばし、カナディアンバックブリーカーで担ぎ上げれば、入江もブラックホールスラムを炸裂。だが、丸藤は樋口を虎王で戦闘不能にし、HARASHIMAを踏み台にして入江にも虎王、不知火を放つと、HARASHIMAが蒼魔刀でフィニッシュ。初タッグとは思えぬ連係で勝利をつかんだ。

試合後はディーノ&高木が宣戦布告。ディーノは以前奪えなかった丸藤の唇を再び狙う!? 【写真:前島康人】

 丸藤が07年4.1後楽園大会でDDTマット初登場を果たした際、ディーノがタッグパートナーを務めた縁もあり、試合後、ディーノ新プロデューサーが「これからお腹いっぱいDDTを味わってもらう」と路上での対戦を要求。これに対し、丸藤は「数年前にオレの唇を奪い損ねた男色さん」と、まるで04年10月の新日本・両国大会で長州力が永田裕志に放った「天下を取り損ねた男」呼ばわりすると、ノア・内田雅之会長も「今年のノアはガンガンチャレンジする。まったく問題ないです」と防衛戦を快諾。丸藤も「今月でプロレスキャリア19年。むちゃくちゃおもしろいじゃないか。路上でも工場でもやってやる」と、路上初挑戦を決意した。

 丸藤の身体能力の高さ、初モノへの適応力、突拍子もないひらめきはプロレス界でも群を抜いており、昨年のプロレス大賞ベストバウトを獲得した“レインメーカー”オカダ・カズチカ戦でも、そのセンスを遺憾なく発揮。方舟の天才×路上プロレス×男色の取り合わせが、どんな化学反応を起こすのか。

新設10人タッグ王座はLiLiCoが奪取

5色のベルトを奪取したLiLiCo組 【写真:前島康人】

 今大会で新設された初代KO−D10人タッグ王座決定戦では、タレント・LiLiCoを擁する大石真翔組が勝利。5人で色違いのベルトを巻き、ポーズを決めた。

 LiLiCoは14年8月の両国大会に特別リングアナウンサーとして初登場し、翌年8月にレスラーデビュー。これまで、アイアンマンヘビーメタル級王座やDDT EXTREME王座を戴冠しており、年下レスラーとの熱愛騒動でも世間を騒がせた。

 久々の参戦となったこの日は、大石&レディビアード&スーパー・ササダンゴ・マシン&大家健と組んで、大鷲透&平田一喜&ジョーイ・ライアン&赤井沙希&ヨシヒコ組と対戦。平田をキャメルクラッチでとらえ、鬼女の形相を見せると、場内はあまりの気迫に騒然。さらにはライアンの急所をわしづかみにし、逆に自分の股間へライアンの手をあてがわせる捨て身の攻撃で自軍を勝利に導いた。

まさに“団体芸”のなせる技で10人タッグの選手権試合となった 【写真:前島康人】

 これまでも6人タッグのベルトは数多くあれど、10人タッグにまで手を出せるのはDDTならでは。選手層の厚さ、“団体芸”への適応能力、個々の際立つキャラクターがあってこそ成り立つ試合形式だ。

 大人数が1つのリングでモゾモゾ戦うだけでは、某アルティメット・ロワイヤルの二の舞にもなりかねない。今回のタイトルマッチでは、「Choo Choo TRAIN」ばりのダンスも見せたLiLiCoが、今後もどんな相手と、どんなことにチャレンジしていくのかも楽しみだ。

6人タッグは酒呑童子が防衛 佐々木がV5成功で彰人が丸坊主に

KO−D6人タッグは酒呑童子が初防衛 【写真:前島康人】

 KO−D6人タッグ選手権試合では、KUDO&坂口征夫&高梨将弘の酒呑童子が、ディック東郷&ヤス・ウラノ&アントーニオ本多の師弟トリオを下し初防衛に成功。坂口と東郷に遺恨が生まれる中、本多をとらえた王者組が、坂口の右ヒザ、高梨のタカタニック、KUDOのダイビングダブルニードロップの黄金連係で仕留めた。

DDT EXTREME級選手権試合に敗れた彰人は丸坊主にされた 【写真:前島康人】

 DDT EXTREME級選手権試合はカベジェラ・コントラ・カベジェラ・ハードコア・サブミッションマッチ形式で行われ、王者・佐々木大輔が彰人を下しV5を達成。ラダーから場外へのハードコアスーサイドエルボーなどを見せた佐々木が、ギターショットからのイスを使ったミスティカ式変形クロスフェースロックでギブアップを奪い勝利。試合後、公約通りに彰人の髪を切り落とし、彰人は丸坊主になった。

※次ページは全試合結果

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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