ももクロ佐々木彩夏×三宅宏実 2人が語る『アイドルとスポーツの融合』
「最後は気持ちで体を持たせる」
4年に1度という大きなプレッシャー、三宅選手はどう克服したのか 【写真:坂本清】
三宅 大きな試合が近づくほど、また闘志がわいてくると言いますか……もちろん試合に大きい・小さいはないんですけど、でも4年に1度のオリンピックだけは絶対にピークを外せないというプレッシャーはありましたね。
あーりん うわぁ〜、怖すぎる〜。
三宅 4年後がダメだったら次は8年後。そうすると4歳、8歳と老いていきますので、そこは大きな要素ですよね。なので、失敗は許されないです。いつもよりもピリッとすると言いますか、より正確に計画を立てていきますね。だいたい試合の3カ月前から計画を立てていくんですが、3カ月前から50%、次は70%、次の3カ月目は100%と、どんどん重たいバーベルに挑戦できる体作りに持っていくんです。ですから、どういうトレーニングをしていけばいいのかというのは、そのときの自分の体のコンディションによって合わせていかないといけないので、良いときのトレーニングをしてもそのときの自分に合わなかったりすることもあるんです。体は日々変化し続けているので、そういったところを気をつけながら、モチベーションをどう持っていくかとか、しっかり考えながらやっていくことが大事だなと思いますね。あーりんさんはどうですか?
あーりん 私はあんまり体力作りとかはしないんですけど、でもライブに向けて、例えばサウナスーツを着てリハーサルをしたりとか、マスクをしてリハーサルをすると息がすごくつらくなるので、本番はそれに比べると楽だったりとか。そういう体力的なこともそうですし、あとは一応アイドルなので、髪の毛をライブに向けてちょっと切ろうかなぁとか、ちょっとニキビができたから早く治そうとか(笑)、そういうのも気にしたりしています。
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三宅選手(左)もあーりんも大一番を前にケガをしてしまった過去を持つ……最後に2人を支えたのは“気持ち”だった 【写真:坂本清】
あーりん 絶対無理〜。
三宅 4年に1回のことなので、それを逃しちゃうとまた次の4年って長いですからね。それに、次の4年後に自分が出られるという保障もないですから。なので、目の前にあるチャンスをつかまないと次がないですし、4年に1度の祭典でアスリートが行きたい最高の場所がオリンピック。だからこそ全てのアスリートが頂点を目指していく場所なんですよね。また、オリンピックが近づくと、徐々に雰囲気も盛り上がってくるじゃないですか、オリンピックムードになるというか。そのムードに自分の気持ちもすくい上げてもらいながらという感じですね。
――特に三宅選手はリオデジャネイロオリンピックの試合本番直前に腰を負傷されて、決して万全ではなかったと思います。佐々木さんも3年ほど前でしょうか、大きなライブの前に足を負傷されて……
あーりん はい、左足を骨折しました。
――そういう大一番の前に体を痛めてしまったときの気の持ちよう、モチベーションの保ち方というのを、改めて当時を振り返って教えていただけますか?
三宅 やっぱり、ケガをしたというのは理由にはならないですし、これでオリンピックを諦めるという選択肢はなかったですね。やっぱり4年に1回のことですから絶対に諦められない。なので、今の自分の現状を理解して、悪化させないようにしっかりとケアをして、1日の中でできることを一生懸命トレーニングして、試合に備えるというふうに体を整えていました。あとはもう“気持ち”ですよね。最後は気持ちで体を持たせる。もちろん、プロのケアのトレーナーにお願いして、体をケアしてもらって何とかオリンピックまで体を持たせてもらうという形でサポートしていただけたのが一番大きかったですね。
――佐々木さんは今の三宅選手の話を聞いて、目前に迫った夏のライブに向けてまた1つ気合いが入ったのではないでしょうか?
あーりん そうですね。野外ライブなので熱中症に気をつけなきゃいけないし、2デイズライブなので1日目で倒れちゃうわけにはいかないですよね。片方の1日しかライブに来れないお客さんもたくさんいらっしゃると思うので、どっちの方が良いパフォーマンスだったとか差をつけるわけにはいかない。だから、どっちも万全の状態でできるようにしなきゃなって、すごく思います。それに私たちも“気持ち”の部分って大きくて、リハーサルでちょっと声の調子が悪いなって思うときの方が本番ですごい声が伸びたりとか、これは良くないことなんですけど5人のうち誰かがお休みしたとき、4人の結束がすごかったりするので、そういうちょっとダメなことがあったり、万全な状態じゃなくても、それをポジティブに、そこをバネにする力が大事なんだなって思います。