上位人気全滅……大波乱が続く中京記念 データ推奨の高配使者はピークトラム!

JRA-VANデータラボ

ハンデ別成績(牡・セン馬)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 牡・セン馬のハンデ別では、54キロ以下の軽ハンデ馬はすべて馬券圏外。波乱のレースではあるが、実績不足の馬や3歳馬が軽ハンデを利して穴を出すのではなく、ある程度のハンデを背負わされる実績馬が人気薄で好走する形だ。中では57キロが5頭好走して複勝率50.0%。また、率は下がるが56キロも3着以内に4頭を送り込んでおり、この56〜57キロが中心になる。なお、牝馬の2着2回は52キロと54キロが記録している。

枠番・脚質別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 枠番別では内から外まで広く好走馬が出ているが、6〜8枠はすべて連対馬を輩出。5枠以内では2枠が好走なし、5枠が連対なしと、全体としてはやや外優勢の傾向にある。特に5番人気以下にかぎると、7、8枠が高連対率だ。

 脚質は「後方」からの直線一気でもじゅうぶんに勝負になり、昨年のガリバルディは4角13番手から鮮やかに差し切った。ただ、2着には好位からピークトラムが粘り込んでいるように、先行勢が踏ん張りを見せるケースも多い。脚質で取捨を決めるのは難しく、どんなタイプでもチャンスありと考えたい。

前走クラス・レース別成績(レースは好走馬輩出レース)

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走レース別では、好走馬15頭中10頭を占めるオープン特別組が中心になる。1600万組は一昨年3着のダローネガで、同じ左回り東京の1600m戦を勝ち上がっており、以前にはオープン・重賞好走歴も持っていた。表4で軽ハンデ馬の好走がなかったように、一定の実績は必要だ。

前走オープン・重賞組の前走着順別成績

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は、オープン特別・重賞組の前走着順別成績である。まず、オープン特別組の前走2〜4着馬は13頭すべてが馬券圏外。そして重賞組も前走3〜5着はすべて3着以下。そんな中、オープン特別1着馬は複勝率71.4%の好成績を残しており、まず前走好走馬ならオープン勝ち馬、それ以外なら馬券圏外、掲示板外に敗退したような馬を狙いたい。

前走5着以下からの好走馬

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走5着以下からの好走馬8頭を見ると、重賞で馬券に絡んだ実績を持たなかったのは、牝馬のアルマディヴァン1頭のみ。牡馬なら悪くても重賞で3着くらいの実績は欲しい。また、別途各馬の成績を見ると、馬券圏内からもっとも遠ざかっていたのは13年2着のミッキードリームで、前年6月の米子S3着以来の好走だった。おおむね1年くらいであれば、馬券に絡めない競馬が続いていても問題はない。逆に、どんなに凡走が続いた馬でも、前年の夏場以降に好走がなければ苦しい。

結論

 マイル戦になってからの連対馬は、すべて5番人気以下という波乱の中京記念。ただ、軽ハンデ馬は苦戦しており、5〜6歳馬で、ハンデ55キロ以上を課される馬が中心になる。前走はオープン特別か重賞で、オープン特別の勝ち馬以外なら、重賞掲示板外や、オープン特別5着以下からの好走が多い。

 好走馬は穴馬が中心、そして前走オープン特別や重賞で馬券圏外、掲示板外だった馬を今年のメンバーから探ると、まず目につくのは昨年の2着馬・ピークトラムだ。今年は年齢をひとつ重ねたが、6歳馬は最多の好走馬6頭(表3)。ハンデも昨年と同じ56キロなら問題はない(表4)。昨年2着後は前々走の5着が最高だが、12〜13年に連覇したフラガラッハ、13〜14年に連続2着のミッキードリームとも、その間に馬券圏内は1度もなかったため、近走成績はまったく気にならない。新馬で2歳レコード勝ち、そして昨年2着と好相性の中京1600mで巻き返しが期待できる。

 その他では、複勝率50.0%のハンデ57キロ(表4)の中から、サンライズメジャーレッドレイヴンを挙げたい。8、7歳という年齢はやや割引が必要なものの(表3)、ともに重賞好走実績や、前年夏以降の好走はクリア(表8、同本文)。穴候補としてはおもしろい存在だ。

 また、表7に記したように、前走オープン特別優勝馬は複勝率71.4%の好成績。今年は米子Sを制したブラックムーン、パラダイスSを制したウインガニオンが該当し、ともにハンデ57キロや5歳の年齢はプラス材料になる。ただ、ともに人気面がネックで、1〜2番人気は馬券圏内がなく、3〜4番人気は連対なし(表1、2)。ただ、3〜4番人気なら3着の可能性は高いとも言える。この2頭では、同距離の前走をレコード勝ちしたブラックムーンより、1400m勝ちのウインガニオンのほうが人気順は下になりそうだけに、もし1〜2番人気や単勝5倍未満にさえならなければ、こちらを3連複の軸に据える手はあるだろう。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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