上位人気全滅……大波乱が続く中京記念 データ推奨の高配使者はピークトラム!
ハンデ別成績(牡・セン馬)
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
枠番・脚質別成績
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
脚質は「後方」からの直線一気でもじゅうぶんに勝負になり、昨年のガリバルディは4角13番手から鮮やかに差し切った。ただ、2着には好位からピークトラムが粘り込んでいるように、先行勢が踏ん張りを見せるケースも多い。脚質で取捨を決めるのは難しく、どんなタイプでもチャンスありと考えたい。
前走クラス・レース別成績(レースは好走馬輩出レース)
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走オープン・重賞組の前走着順別成績
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走5着以下からの好走馬
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
好走馬は穴馬が中心、そして前走オープン特別や重賞で馬券圏外、掲示板外だった馬を今年のメンバーから探ると、まず目につくのは昨年の2着馬・ピークトラムだ。今年は年齢をひとつ重ねたが、6歳馬は最多の好走馬6頭(表3)。ハンデも昨年と同じ56キロなら問題はない(表4)。昨年2着後は前々走の5着が最高だが、12〜13年に連覇したフラガラッハ、13〜14年に連続2着のミッキードリームとも、その間に馬券圏内は1度もなかったため、近走成績はまったく気にならない。新馬で2歳レコード勝ち、そして昨年2着と好相性の中京1600mで巻き返しが期待できる。
その他では、複勝率50.0%のハンデ57キロ(表4)の中から、サンライズメジャーとレッドレイヴンを挙げたい。8、7歳という年齢はやや割引が必要なものの(表3)、ともに重賞好走実績や、前年夏以降の好走はクリア(表8、同本文)。穴候補としてはおもしろい存在だ。
また、表7に記したように、前走オープン特別優勝馬は複勝率71.4%の好成績。今年は米子Sを制したブラックムーン、パラダイスSを制したウインガニオンが該当し、ともにハンデ57キロや5歳の年齢はプラス材料になる。ただ、ともに人気面がネックで、1〜2番人気は馬券圏内がなく、3〜4番人気は連対なし(表1、2)。ただ、3〜4番人気なら3着の可能性は高いとも言える。この2頭では、同距離の前走をレコード勝ちしたブラックムーンより、1400m勝ちのウインガニオンのほうが人気順は下になりそうだけに、もし1〜2番人気や単勝5倍未満にさえならなければ、こちらを3連複の軸に据える手はあるだろう。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。