闘将、寡黙なリーダー、バンディエラ…… クラブの歴史を彩る偉大なキャプテンたち
生え抜きのレジェンドがキャプテンを継承する幸せ
左からプジョル、シャビ、イニエスタ。バルセロナのキャプテンは生え抜きの手で受け継がれてきた 【写真:ロイター/アフロ】
例えばバルセロナ。現キャプテンのアンドレス・イニエスタは、クラブが誇る育成部門「ラ・マシア」がまだカンプノウに隣接していた時代を知る最後の世代だ。そのイニエスタが腕に巻くキャプテンマークは、90年代前半にクライフ監督の下でリーガ4連覇を果たし、「ドリームチーム」と呼ばれた黄金時代の申し子、ジョゼップ・グアルディオラ以来、カルレス・プジョル、シャビら、主にラ・マシアで育った生え抜きの手で受け継がれてきたものだ(00年代初頭に2年間だけオランダ人のフィリップ・コクーが主将を務めたが)。
とはいえ残念ながら、バルセロナのこの生え抜きキャプテンの系譜は、イニエスタを最後にいったん途絶えそうな気配である。たとえどれだけ育成に力を入れていても、チームのシンボルとなり得るような偉大なプレーヤーを10年に1人ずつ輩出するのはきわめて困難なことなのだ。ライアン・ギグス(マンチェスター・ユナイテッド)やジョン・テリー(チェルシー)、スティーブン・ジェラード(リバプール)、そしてフィリップ・ラーム(バイエルン)のように、引退後もレジェンドとして語り継がれるような偉大な生え抜きのキャプテンを1人生み出すだけでも、クラブにとっては素晴らしい僥倖(ぎょうこう)なのだと考えるべきなのだろう。
ミランを支えた「キャプテンの系譜」
ともに優勝カップを掲げたチェーザレ(左)とパオロのマルディーニ親子 【Getty Images】
バレージとP・マルディーニはミランの生え抜きだったが、その前の2人、リベラとC・マルディーニは、地方の小さなクラブで育ち、20歳前後でミランに引き抜かれた。彼らのように、生え抜きとは言わずとも、キャリアの大部分をひとつのクラブで過ごし、“バンディエラ”となった偉大なキャプテンは、多くの場合そのクラブが過ごしたひとつの時代を象徴し、記憶に残す存在となる。例えば、ハビエル・サネッティ(インテル)、ジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス)、そして生え抜きのイケル・カシージャスからキャプテンマークを引き継いだセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)。
カシージャス(右)からキャプテンマークを引き継いだセルヒオ・ラモス。強いチームには、偉大なキャプテンがいる 【写真:なかしまだいすけ/アフロ】
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