コンフェデ杯決勝はチリ対ドイツの再戦に 4強は順当、レベルが劣っていた3カ国
ポルトガルは準決勝でチリに敗れ、3決へ
チリとの準決勝でPK戦の末に敗れたポルトガル。今後、メディアからの批判はさらに大きくなるかもしれない 【写真:ロイター/アフロ】
ポルトガルの主軸は偉大なるクリスティアーノ・ロナウドであるが、冷静かつ聡明なフェルナンド・サントス監督は後方から丁寧にパスをつなぐことで、前線の彼とリカルド・クアレスマ、アンドレ・シウバら前線の選手をサポートする態勢を作ろうとしている。ペペ(準決勝は出場停止)やブルーノ・アウベス、ジョゼ・フォンテらを擁するポルトガルは守備力も高く、中盤では常にジョアン・モウティーニョを起点としてボールを動かしている。
とはいえポルトガルのメディアは、リードするや否や守備を固めて逃げ切り態勢に切り替え、低い位置からカウンターを仕掛ける以外に攻める姿勢を見せなくなることを厳しく批判している。0−0のまま延長戦を終え、PK戦で敗れた結果により、その批判は今後さらに大きくなるかもしれない。
各ラインにトップ選手をそろえるチリ、若手主体のドイツ
レーブ監督(左から2番目)の手腕により、ドイツは有能な若手と数人のW杯優勝メンバーを混えたチーム構成で順当に決勝へと勝ち進んだ 【写真:アフロ】
その傍ら、チリは試合を重ねるごとに体力的な消耗を感じさせるようになってきている。それは大半の選手たちが厳しいシーズンを戦い終えた直後だからなのか、それとも主力選手の平均年齢が高くなってきたせいなのかは、現時点ではまだ分からない。
いずれにせよ、オーストラリアと引き分けた後にフアン・アントニオ・ピッツィ監督が発したコメントには驚かされた。彼はフィジカル面では相手が上回っていたと話していたが、フットボールにおいて身長や体重は重要な要素ではない。そうでないと思うのであれば、リオネル・メッシやディエゴ・マラドーナ、ロマーリオにそう言ってみればいい。
また現在のチリはフランシスコ・マツラナ率いる90年代のコロンビア代表とよく似たチームだ。美しく強いフットボールで見る者を魅了していた当時のコロンビアは、黄金世代が去った後に低迷期を迎え、ゼロからのチーム作りを余儀なくされた。彼らも近い将来、同様の挑戦に立ち向かうことになるだろう。
W杯優勝メンバーの多くを今大会に招集しなかったドイツも、世代交代のさなかにある。マリオ・ゲッツェは体調を崩して長期離脱中で、フィリップ・ラーム、バスティアン・シュバインシュタイガー、ミロスラフ・クローゼらは代表を引退した。それでも有能なヨアヒム・レーブ監督は、トップリーグで活躍している多数の若手に数人のW杯優勝メンバーを混えたチーム構成で、順当に決勝へと勝ち進んでいる。
ドイツは誰がプレーするかにかかわらず、何年も前から可能な限りクリエーティブなプレーを心掛けてきた。グループリーグでは1−1のドローに終わったチリとの再戦となった決勝は、このチームがどこまで戦えるのか、そして18年のW杯でも優勝候補の筆頭となるかを試す機会となる。
(翻訳:工藤拓)