【リアルジャパン】船木がレジェンド王座奪回へ静かに闘志 フリー3年目へ「サっと取っていきたい」

リアルジャパンプロレス

大谷へのリベンジと9カ月ぶり王座奪還を狙う船木 【写真:リアルジャパンプロレス】

 リアルジャパンプロレス「初代タイガーマスク黄金伝説2017『LEGEND OF THE GOLD VII』」(6月29日、東京・後楽園ホール)では、第11代王者・大谷晋二郎に船木誠勝が挑むレジェンド選手権試合がメインで行われる。昨年9月、時の王者・船木から大谷がベルトを奪って以来となる一戦は熱く燃える大谷に対し、静かに炎をたぎらす船木と対照的な様子を見せる。「今が1番楽しい」と気力を充実させる船木が、王座奪還への思いを語る。(文・長谷川亮)

正直言っフリーの今が1番楽しい

30年を超える格闘技人生で「今が1番楽しい」と気力も充実 【写真:リアルジャパンプロレス】

――船木選手は2015年6月末にWRESTLE−1を退団して、今回のタイトルマッチでちょうど2年になります。

 この試合が終わって7月から3年目になります。だから今回は節目で迎えた感じがあるので、来たからには奪って、新しい3年目という年を迎えたいです。

――フリーとなっての2年を振り返っていかがでしょうか。

 ものすごく充実しています。本当に1日・1週間・1ヵ月っていうのが早いです。自分の練習、ジムの指導、それと試合、それで毎日の生活が成り立っていて、本当に早いですけどすごく楽しいです。

――アッという間に過ぎていく毎日だけれど充実感があると。

 そうですね、なのでフリーになってよかったと思うし、自分に合っていました。46でフリーになったんですけど、15でデビューをしてから30年掛かりました。けど、これが本当の自分の姿というか、48で1番充実した生活を送れるのはすごくラッキーだと思います。正直言って今が1番楽しいです。

――では、15歳でデビューしてから自分に合った生き方をずっと探していたといいますか。

 探したというか、ずっとプロレス・格闘技界を泳いでいた感じなんですよね。ずっとこうやって、自分の団体を作ったりもしましたけど、なんかフリーでやるっていうのが1番合ってます。新日本プロレス、UWF、藤原組、パンクラス、全日本プロレス、WRESTLE−1と団体に所属もしましたけどやっぱり合わないし、今の方が全てにおいて全然しっくりきます。

――「いま充実した生活を送れるのはラッキー」とのことですが、もっと早くではなく、むしろこの時点で自分はフリーに向いていることが分かってよかった、ということでしょうか。

 やっぱり団体を経験しないと団体のありがたさっていうのも分からないですから、この辺でよかった気がします。最初からフリーでも、感覚・性格がちょっと変わってきちゃうと思うんです。だから最初は団体生活をしてよかったと思います。

――では30年以上のプロレス・格闘技生活を振り返っても、この2年間は非常に実のあるものであったと。

 ものすごい充実していて、もう寂しいぐらいアッという間に過ぎていきました。

考えが違う大谷と試合をした方が面白い

【写真:リアルジャパンプロレス】

――そういったフリー生活の中で最初に手にしたタイトルがレジェンド選手権王座で、今回は再びそれに挑むこととなりました。

 大谷選手が「選んでいただき」って言ったことに対して怒っていましたけど、自分はいまだに自分のことをそこまでスゴいと思っていないんです。やっぱりいろいろ欠点とかもたくさんありますので、だからそうやって指名してもらうっていうのは本当にありがたいなって。

――その点に関しては会見でも言われていましたが、考え方の違いであると。

 そうですね、そこは違うと思います。でも違う人同士が試合をした方が面白いので。やっぱり似通った人同士でやると同調しちゃうというか、仲がいいと少し遠慮もしちゃいますし、自分はそういう風になってしまうと本気でぶつかっていけないタイプなので、逆にああいう風に言ってくれた方がスッキリします。それに戦いですから仲良くやったらダメなんです。なのであれでいいと思います。それで負けたからといってもその考えがおかしいとは思わないし、違う考えの人がいっぱいいて構わない。これまで自分は尊敬する人はいましたけど、同調する人っていうのはいませんでした。群れを作るのもあまり好きじゃないし、パンクラスの時は“仲間”っていう形でいましたけど、それこそやりづらかったです。試合で自分の弟子を殴らなきゃいけないとか、それはもう本当に嫌でした。だから知らない外人の方がやりやすかったです(苦笑)。

――たしかに振り返ってみても、外国人選手が相手の時の方が、船木選手のキラーな側面が出ていたように思います。

 それでなおかつちょっと凶暴な感じの相手の方がやりやすかったです。何ていうんですかね、どうなってもいいと思うじゃないですか。だけど相手が弟子だったら、試合の後でケガをしたまま練習している姿とかを見なきゃいけないですから、やっぱりちょっと違いますよね。

――そういった話をお聞きしても、もうなるべくしてフリーになられたのかなという気がします。

 そうですね。格闘技界、プロレスラーには誰も友達がいないですから。でもそれでいいと思います。作りたくないですよね、いつ戦うか分からないので。

記憶がなくなった方が負けるんじゃない

【写真:リアルジャパンプロレス】

――では、そういった中で今回はプロレスに対する考えの異なる大谷選手とのリマッチになります。

 前回も負けた気持ちはなかったし、試合の中身は勝っていると思いました。大谷選手は「ベルトが自分の方に寄ってきた」とかそういうことを言っていて、記憶をなくしたのにチャンピオンになっていたから、何かそういうこともあるのかなって(苦笑)。でも、記憶がない中で戦ってチャンピオンになっても、それはそれでどうなのかなって思います。だから大谷選手も自分ともう1度やりたいと思っているはずです。記憶がないっていうのはやっぱり悔しいと思いますから。

――では今回が真の決着戦といいますか。

 そうですね、今回はお互い記憶がある中で戦って、逆に記憶がなくなった方が負けるんじゃないですか。

――以前は船木選手が王者で大谷選手が挑戦者という逆の立場の時に話をお聞きしましたが、その際船木選手は守る難しさを口にされていました。

 守るのより取りに行く時の方がやっぱり楽ですよね。「取るぞ!」っていう勢いがありますから。何ごともゴールがあった方が頑張れるし走れるじゃないです。でも頂点、そこに達してしまうとそこでずっと守っていかなきゃいけなくなる。馬でもニンジンがあれば走れるんです。なので今回は思いっきり行きたいと思います。大谷選手はやっぱり火をつけてくれるというか、そういうタイプなのでそこはやりやすいですね。

――ではフリー生活2年の総決算となる一戦へ向け、最後に改めて意気込みをお願いします。

 体調も万全ですし気力も乗って充実していますので、そのままその流れでサっと取っていきたいです。そして3年目の自分の活動につなげていきたいと思います。
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