日本のプールA入りは幸運だった? 強化副委員長と「博士」が占う19年W杯
和やかな雰囲気でトークを進める小林氏(写真左)と永友氏 【スポーツナビ】
今回は「組み合わせ決定!ラグビーワールドカップ2019を占う」と題し、解説に「ラグビー博士」として知られる小林深緑郎氏、ゲストに「Team Japan2019」男子15人制日本代表・強化副委員長を務める永友洋司氏を招き、司会はラグビージャーナリスト・村上晃一さんが務めた。
アイルランド、スコットランドと同組に
「素晴らしかったです」と振り返るのは小林氏だ。「最悪ニュージーランド、南アフリカと一緒になる可能性があったと思えば、生き延びられるなと。そこは避けられました」。
永友氏はジャパンクラブで組織委員会のメンバーらと抽選会を見守り、ドロー結果に場内は盛り上がったと振り返る。一方、個人的には「エディー(・ジョーンズ前HC)と早くやって、エディーに勝ちたい」と、イングランドと同じプールに入りたかったと告白していた。
対戦国それぞれの分析について、永友氏はアイルランドを「TI1(バンド1)の中では比較的やりやすい相手。ニュージーランド、オーストラリアよりは戦い方がシンプルなチーム」と語り、小林氏はスコットランドを「日本代表としては絶対に勝ちたいチーム。相手も(ワールドカップで)トライが取れなかった十数年間があって、そこからチームが変わり、今は上り坂にいます」と両国の歴史を交えながら紹介した。
エディー率いるイングランドは暑さに苦戦?
6月にはアイルランドとの“前哨戦”が行われた。写真は17日の第1戦でトライを決めた野口竜司(東海大) 【写真は共同】
小林氏はイングランドが1位で抜けると予想しつつ、「ヨーロッパのチームは気候の影響を受けやすく、(高温多湿の)東アジアの大会だと今までと違う結果が出るかもしれません」と苦戦を予告。残暑の厳しい9月に開幕することから、序盤は難しい試合が続きそうだ。
永友氏も「(気候に慣れるため)1年前の9月にチームをこそっと連れてきそうな気がします」と先の小林氏の意見に呼応。さらに、「エディーは情報を集めるのが好きで、ありとあらゆる情報を集めています。『これも調べとけ、あれも調べとけ』という形になると、周りのスタッフがパニックを起こしてしまい、大変になるのでは」と関係が深いからこそ知る弱点を指摘した。周到にしてくるであろう準備がどう出るのか、経過を見守りたい。
「ブライトンからすべてが変わった」
永友氏は「南アフリカとベスト8でやりたいですね。だから、1位で抜けていく。次にイングランドに勝って、エディーの悔しい表情を見たい。そして、決勝でニュージーランドに勝つのが理想です」と頂点を狙うプランを披露。本当に永友氏の語ったように進んでいけば、日本だけでなく世界中が興奮のるつぼと化すだろう。
日本は6月にルーマニア、アイルランドとテストマッチを行った後、11月にオーストラリアとフランス、そして来年にはニュージーランドとの試合を控える。本番前に強豪との対戦機会が多く与えられている理由に、小林氏は「ブライトンからすべてが変わりましたね」と南アフリカを破った“あの日”を引き合いに出した。これに対し永友氏は2015年の躍進を前提にしつつ、「日本でワールドカップがあるから来たいというチームは多いです」と付け加えている。