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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

「自分たちのラグビー」の確立を

アイルランド、スコットランドといった強豪に勝つためには「自分たちのラグビーを確立すること」と語る永友氏 【スポーツナビ】

 ハーフタイムを挟んだのち、来場したファンからの質疑応答が行われた。以下はその要旨。

――永友さんの明治大時代の恩師・北島忠治監督の教えで、今のジャパンのメンバーに伝えたいことは?

永友 食事面ですね。明治時代はみんながひたすら食べていたので。北島先生は今でも通用するぐらい食事の面も含めて考えてくれました。フィジカルで戦っていくにはもっと大きくなっていかないときついですね。そのために、トレーニングする時間も確保していきたいです。

――アイルランド、スコットランドに勝つために必要なことは?

永友 まずは自分たちのラグビーを確立することです。まだエディーの時の財産ではないですが、当時の癖が抜け切れていないところもあります。ジェイミーのラグビーはスキルフルな選手が必要になりますし、時間がかかると思います。ただ、2019年までには間違いなくジェイミーの目指すスタイルができると思うので、それは信じて待っていただきたいです。

――畠山健介選手、五郎丸歩選手ら2015年のメンバーで現在代表を外れている選手の復帰の可能性は?

永友 当然ながらありますね。五郎に関してはゲームをなかなかやっていないので、今は試合をすることが一番大事かと思います。そうすれば間違いなく選考に入ってきます。畠もそうですよね。彼はジェイミーが目指しているアンストラクチャー(陣形が崩れた状況)において、スキルフルな選手。ここから食い込んでくることは本当にあると思います。

会話を大事にするジョゼフHC

ジョゼフHCの現役時代に関するエピソードを披露した小林氏 【スポーツナビ】

――2019年への秘密兵器はいるでしょうか? 15年大会でいうアマナキ・レレィ・マフィのような

永友 これは絶対に出てくると思います。“Xファクター”がラッキーボーイになる可能性は大いにあります。

小林 大学生や外国人、たとえば東海大のテビタ・タタフとか。レメキ・ロマノ・ラヴァもけがから順調に回復しているので、彼のようなインパクトの強い選手が本番近くになったら出てくると思います。

――理想の3列をお聞かせください。例として「ツイヘンドリック、リーチ・マイケル、マフィ」「リアキ・モリ、エドワード・カーク、ヴィリー・ブリッツ」「布巻峻介、金正奎、松橋周平」が書いてありますが

永友 私個人としては3番目が一番。ですが、やはり3列のサイズ、突破力、機動力は欠かせないところが出てくると思います。現状1番目のパターンがいいですかね。

小林 日本の若い人に希望を持たせる意味で金正奎グループが好きですが、ワールドカップを戦うとなると、何と言ってもサイズがいりますね。これは欠かせない。

――ジョゼフHCとエディー前HCとの違いを改めて教えてください

永友 たとえばエディーが「昼寝をさせろ」と言うところを、ジェイミーはその時間を「会話させろ」と言います。選手を呼んでコミュニケーションを取る、選手からどんどん話を聞く。「休ませない」というわけではないですが、会話を大事にします。

小林 ジェイミーが選手時代に日本代表に入った時、試合前日の練習が終わった後に話を聞こうと思ったら「今日は俺にしゃべりかけるな」と。前の日から集中しないと試合に臨めないタイプで、「こういうタイプってやっぱりいるんだ」と思いました。性格でしょうね。

あなたにとってラグビーとは?

永友 これはもう時代だとは思うんですけど、僕らがやっていたときのラグビーというのは「理不尽」の中でやっていることが面白い。

 理不尽というのは悪いものと捉えがちですが、ラグビーは「ボールを後ろに下げないといけないのに、前に進んでいくスポーツ」と言われるように、面白いじゃないですか。われわれの時代というのは、理不尽の中でラグビーを教わって、人生も教わったので。僕にとっては、そういう中で成長させてもらったものかなと思います。

小林 ラグビーは人とのつながりをこの地球上で一番大事にしてくれるスポーツだと思うんですよね。フレンドシップというのを、選手同士、選手とファン、ファン同士とか、あらゆる段階で対立しないようにできている。試合の中だけで争う。

 もうひとつ、ラグビーは人間をつくる、選手が育つ。ラグビーを取り巻いている人たちを育ててくれます。悪いのもたまにいますけど(笑)、だいたい考える。本当の悪いやつじゃなくて、「人のためになんとかしよう」とか、そういう人は多いですね。

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