脅威の2番ペゲーロが打線をけん引 楽天快進撃の立役者が語る好調の要因

週刊ベースボールONLINE

ウィーラーが外国人選手の先導役

茂木栄五郎(左端)との1、2番コンビで得点機を演出する。ウィーラー(右端)の復調も明るい材料だ 【写真:BBM】

 外国人選手の中で最も日本でのキャリアが長いのがウィーラーで3年目。そして2年目のアマダー、今年から新加入したハーマンと続く。明るいキャラクターのウィーラーが、外国人選手の中で先導役になっているようだ。

「彼には日本でのキャリアがあるからね。僕はシーズン途中で入団したわけだし、日本の野球もチームについても知識がゼロ。そんな中で彼がチームのシステムや、外国人選手への攻め方も詳しく教えてくれたんだ。気持ちを盛り上げてくれるし、僕にとってすごく大きな存在だよ」

 シーズン中、北は北海道、南は九州と日本列島を飛び回る日々が続く。その移動距離はアメリカの比ではないが、一方で食事面での適応も、成功への大事な要素となってくる。

「最初は戸惑いもあり、あまり食べられなかった時期も確かにあったんだ。でも、今年はだいぶ慣れてきて、いろいろ食べられるようになったかな。日本食ではスシ、ヤキニクは好きだね。ウィーラーらとは、互いの家族と一緒に食事することもあるんだ」

4年ぶり歓喜へ欠かせない「PWA」

 今季、スタートダッシュに成功した楽天。相手投手からの警戒感が強まった分、ペゲーロのホームラン量産ペースはダウンしたが、5月7日の埼玉西武戦(メットライフ)では、11試合ぶりとなる8号本塁打を放った。

「(西武・ウルフから)打ったのはツーシームだね。(足立祐一のスクイズで)1点を取った直後に、モギが(二塁打で)チャンスメークしてくれて、追加点につなげることができて良かったよ。まさかスタンドに入るとは思わなかった。これは神様のおかげだね」

 チームにとってのさらなる朗報は、開幕からそろって不振だったウィーラー、アマダーの復調気配。5月11日の千葉ロッテ戦(Koboパーク宮城)ではアベック本塁打が飛び出し、18日時点でチームの貯金は今季最大の「16」までふくらんだ。4年ぶりの歓喜を味わうには、この助っ人トリオ「PWA」の大暴れが欠かせない。

「個人の数字に関しては興味がないし、毎日100パーセントでプレーすることのほうが大事だと思っている。チームとしては優勝するのはもちろんだけど、最低でもプレーオフに出ること。そして勝ち進んで、最終的に日本一を手にすることができれば言うことはないね。ボールを飛ばすコツ? それは自分でもよく分からないよ(笑)。元気な体に産んでくれた両親に感謝することと、やっぱり神様のおかげだと思うね」

 ペゲーロは5月に入り、腰痛が影響して守備で動きの悪さを露呈した。梨田監督も「腰を悪くしており、(守備での)一歩目のスタートが遅い」と表情を曇らせる。現在では負担の少ない指名打者での出場もある。さらに1番の茂木が左かかと痛の影響で欠場することも。ただしそれらは、長いシーズンを見据えての起用法。ここは「1年間うまく使いたい」と語る梨田監督の、腕の見せどころだ。

(取材・構成=富田庸、写真=大賀章好)

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