予選無失点も、真価が問われる守備陣 U-20W杯に臨む21名を徹底紹介 GK&DF編
中山と冨安のコンビが軸となるセンターバック
CBの軸となる中山。しっかりとしたスキルを持ち、後方からゲームを作ることができる 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
4 板倉滉(川崎フロンターレ)
5 冨安健洋(アビスパ福岡)
15 杉岡大暉(湘南ベルマーレ)
中山雄太(柏)と冨安健洋(福岡)のセンターバック(CB)2枚が軸となる。この2人の特徴はそのままダブルボランチとして起用しても問題なく機能すると思われるほどに、しっかりとしたスキルを持ち、後方からゲームを作ることのできるコンビだということ。どちらも対角線のロングフィードの使い手であり、特に中山は攻撃的MFでもプレーできる技術を持っており、機を見ての攻め上がりからチャンスを作り出す。
その半面、どちらも自らの課題として「対人の守備力」を挙げており、特にプロ入り後から改善に取り組んできた。フィジカルトレーニングによるスピード・パワーのベースアップに加えて、どちらも所属クラブでポジションをつかんだことによる実戦経験の中でさらに磨きをかけており、世界大会はその成果を試す場となる。
控えの1番手である板倉(右)はチーム屈指のエアバトラー。周囲への気配りも忘れないナイスガイだ 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
4番手となる杉岡大暉(湘南)は市立船橋高から今季加入したルーキー。開幕からポジションをつかんで、メンバーにすべり込んだ。「ポジショニングなど守備はまだまだ」(曹貴裁監督)と評されるものの、ピンチでも慌てず騒がず、動じないメンタリティーはDFとしての重要な資質。左利きのメリットを生かしたビルドアップ能力や攻撃参加も光る。このため、控えCBであると同時に、4人目のサイドバック(SB)にもなり得る。
サイドバックは左右をこなす初瀬の存在が鍵に
両足での高いキック精度に加えて、クレバーさのあるプレーが持ち味の初瀬 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
6 初瀬亮(ガンバ大阪)
19 舩木翔(セレッソ大阪)
SBより前のポジションの選考コンセプトを推察すると、「みんな違ってみんないい」といったところか。あえて異なるタイプの選手が選考されており、対戦相手や試合の状況、あるいは味方の組み合わせに応じて使い分けていくイメージだろう。
軸になりそうなのは初瀬亮(G大阪)。両足でのキック精度に加えてクレバーさのある選手で、ビルドアップに絡む力はSB陣でも随一。機を見た攻撃参加からのアシスト能力も備えており、G大阪では中盤でも起用されるなど、プレーヤーとしての幅の広さも光る。初瀬の持つ最大の特長は、両足のキックを武器に左右を遜色なくこなせる点で、彼がどちらで出るかによって、「もう1人のSB」の人選も変わってくる。
右SBのスペシャリストである藤谷。最大の魅力はスプリンターとしての走力にある 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
U−20日本代表はGKとDFは1次予選、最終予選を無失点で切り抜けてきたメンバーとなるが、口をそろえて強調するのが「それはたまたま」ということ。世界の舞台で最終ラインにかかる負荷は予選の比でないことは明らかだろう。そしてだからこそ、彼らの奮起が大会の行方を大きく左右することになる。
<MF編につづく:5月18日掲載予定>