ブラン監督代行「若手を発掘し育成する」 2017年度バレー全日本男子始動会見

スポーツナビ

2017年度の全日本男子メンバー。謹慎中の中垣内監督に代わり、ブラン監督代行(右)が出席した 【坂本清】

 日本バレーボール協会は15日、2017年度全日本男子バレーボールチーム「龍神NIPPON」の始動に際し、東京都内で会見を行った。会見には謹慎中の中垣内祐一監督に代わって指揮を執るフィリップ・ブラン監督代行をはじめ、登録メンバー29名のうち21名が出席し、それぞれ抱負を述べた。

 ブラン監督代行は「バレーボールの現状を見ると、日本チームをトップレベルまで上げるのはそう簡単ではないと私も認識している。良い結果を残すために尽力していきたい」と所信表明。また、「私は2つの大事なゴールを設けている。ひとつは現状の選手たちのスキルを上げてより高いレベルへともっていくこと。そしてもうひとつは若い選手、タレントのある選手を発掘することが大切だと思っている」と目標を語った。

2017年度全日本男子登録メンバー

代表初選出となった東レのセッター藤井直伸(21番) 【スポーツナビ】

1.深津旭弘(29/JT/S)
2.深津英臣(26/パナソニック/S)
3.藤井直伸(25/東レ/S)★
4.関田誠大(23/パナソニック/S)
5.米山裕太(32/東レ/WS)
6.鈴木悠二(30/東レ/WS)
7.清水邦広(30/パナソニック/WS)
8.高松卓矢(29/豊田合成/WS)
9.栗山雅史(28/サントリー/WS)
10.柳田将洋(24/サントリー/WS)
11.山田脩造(24/豊田合成/WS)
12.高野直哉(24/堺/WS)★
13.小川猛(22/サントリー/WS)★
14.久原翼(22/パナソニック/WS)★
15.石川祐希(21/中央大/WS)
16.鈴木祐貴(19/東海大/WS)
17.新井雄大(18/東海大/WS)★
18.富松崇彰(32/東レ/MB)
19.李博(26/東レ/MB)
20.傳田亮太(25/豊田合成/MB)
21.出耒田敬(25/堺/MB)
22.山内晶大(23/パナソニック/MB)
23.高橋健太郎(22/東レ/MB)
24.大竹壱青(21/中央大/MB)
25.小野寺太志(21/東海大/MB)
26.古賀太一郎(27/パリバレー(フランス)/L)
27.浅野博亮(26/ジェイテクト/L)
28.鶴田大樹(25/サントリー/L)
29.井手智(25/東レ/L)

※括弧内は左から年齢、所属、ポジション
※★マークの選手は全日本初選出
※年齢、所属は、2017年5月15日時点
※ポジション略号:WS=ウイングスパイカー、MB=ミドルブロッカー、S=セッター、L=リベロ

ブラン「日本の文化に沿ったバレーボールを浸透させていく」

(右から)鳥羽強化委員長、木村会長、ブラン監督代行 【坂本清】

登壇者:
木村憲治(日本バレーボール協会会長)
鳥羽賢二(日本バレーボール協会男子強化委員長)
フィリップ・ブラン(全日本男子監督代行)

木村会長 2020年の東京五輪でメダルを獲得すべく、全日本男子が始動します。つい先日の11日にもご案内しましたが、本来の監督である中垣内祐一監督がご存知のような事情ですので、この度はフィリップ・ブラン氏に監督代行を務めてもらう。こういうスタートになりました。被害者の方、ご心配いただいている関係各位には大変申し訳なく、この場をお借りしてまずは会長としてお詫びを申し上げたいと思います。

 最初に言いましたが、私どもは20年の東京五輪でメダル獲得を目標としております。昨年のリオデジャネイロ五輪までの(バレー競技が行われた)13大会のうち、男子は金銀銅メダルが1個ずつ。これはとっくに昔のことであります。過去2大会リオとロンドン大会の出場を逃している男子バレーが、口でいうのは簡単ではありますが、経験のある私としては簡単に「メダル獲得」と言うべきではないと思います。しかし、メダルを獲得するということが、男子バレー界の今後の発展に大きく影響してくる。また、今の選手たちが世界で勝つことがどれだけ大変なことなのか。十分に知っているのかと言われれば、まだまだだと言わざるを得ません。そういった部分をしっかりと指導し、選手たちにも気付いてもらって、20年にはしっかりと結果を示していきたいと思います。

鳥羽強化委員長 会長が申し上げたように、東京五輪は唯一無二のものです。関係者だけのものではなく、広く国民の皆さんに応援してもらえるようなバレーボール競技にしたいと思っております。かつて五輪で金メダルを獲得した男子バレーが捲土(けんど)重来を果たせますように、選手・スタッフ一同ともに尽力してまいります。

ブラン 東京五輪では、私たちが素晴らしい結果を残せるように努力していく。20年大会は私にとって4回目の五輪となる。通常、五輪に出場する権利を獲得するのは簡単なことではない。バレーボールの現状を見ると、日本チームをトップレベルまで上げるのはそう簡単ではないと私も認識している。良い結果を残すために尽力していきたい。それに対して、強い決意を持って(バレーに)没頭すること、それから忍耐が必要だと思う。高い水準での質の良いバレーを展開していくためには、それぞれの努力とスタッフの協力が欠かせない。今後、皆さんの協力も欠かせないものだと認識している。

 私は2つの大事なゴールを設けている。ひとつは現状の選手たちのスキルを上げて、より高いレベルへともっていくこと。そしてもうひとつは若い選手、タレントのある選手を発掘することが大切だと思っている。私の持っている力、スキルをすべて注いで成功に導きたい。私は何が効果的か、何がより良い方法なのかを考えている。私の持っている知識と経験、そして日本の文化に沿ったバレーボールを浸透させていくこと大事だと思っている。たくさんの優秀なスタッフがそろっているし、そのスタッフをもってすれば、この目標を達成するのは難しいことではない。

 新しいタレントを持った若い選手を発掘するためには、皆さんの協力が必要だ。若いタレントを発掘し、育成していくのは全日本だけではできない。これまで協力してくれている各選手の所属チームや大学、学生団体に協力してもらったうえで、タレントを持った若い選手の育成を進めていきたい。今後は日本が、そして日本のバレー界が高い意識を持ち、バレーを自慢できるようなスポーツになるように、尽力していきたい。

 そしてキャプテンの発表をしたい。今回は深津英臣をキャプテンに指名する。

<次ページは質疑応答>

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