ブラン監督代行「若手を発掘し育成する」 2017年度バレー全日本男子始動会見

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一番大事にしているのは「スピリット」

ブラン監督代行は「速いバレー」「サイドアウト」など、いくつかキーワードを挙げた 【スポーツナビ】

――当初はブラン氏にどんなことを期待してコーチに招へいしたのか。そして監督代行として何を期待しているのか。

木村会長 私が1人で決めたわけではなく、強化担当者と相談して決めました。1週間前、世界団体(FIVB)の理事会がありまして、そこでブラン監督が指揮するという話が出てきました。「外国人をスタッフに使うということは、日本は本気になったな」と、そういう言葉をたくさんいただきました。誰に監督代行をお願いしたのかという意図は分かっていただけると思います。世界的には実績もあり、有名な方であるということです。

――監督選考の際には外国人監督を考えていないとのことだったが、木村会長の考えは変わっていないのか。

木村会長 それは解釈の違いです。外国人監督よりも、日本人監督の方が「本来は」いいという意味です。それはなぜかというと、日本は外国に比べて小さい民族である。そういうチームが大きな諸外国に対抗しようとしたときに、日本のウイークポイントを含めて良く理解した人が監督にふさわしい。そういうことが理解できるのであれば、国籍は関係なく、できる方がいるのであれば日本人にこだわることはない。日本人だからこそ強いチームができる、そういう発想ができる人がふさわしい監督だということです。

――ブラン氏は予定したコーチという立場ではなくなっているが、現状に戸惑いはあるか。

ブラン 14年の世界選手権の際にポーランドでコーチの話をもらった。そのときに思ったことはヘッドコーチ(監督)であれ、コーチであれ、目標は同じで勝つことだ。どちらの立場であれ、私たちがやることはひとつだ。どちらであったとしても私の立場は変わらない。勝利を目指して、五輪を目指して、目標を目指してみんなの心をひとつにして戦うだけだ。

 私が今後やるべきは日本の選手たちの良い部分を生かして、日本の文化に合ったバレーボールのシステムを構築し、それをもって勝利することだ。それを目標としている。数年経ったら、私が日本のコーチとしてふさわしいと思ってもらえるよう今後も努力していく。

――世界を知るブラン監督代表から見て、今の日本代表はどう見えるのか。日本のどの部分を一番伸ばすべきだと考えているのか。

ブラン これまで日本人選手を見てきたが、たとえば体力面やフィジカルではロシアやブラジルと比べると劣るのではないかと思う。私が一番大事にしているのは「スピリット」。強い心を持って戦うことだ。その中で速いバレーを展開することが大事だと思う。あとはサイドアウト(相手サーブ時の得点)をきちんと取れるようなバレーを展開していきたい。

 ディフェンス面を考えると、高さの面では諸外国と同等とはいえないだろう。しかし、システムを構築してプレッシャーを与えていくような形ができればと考えている。試合の中で一番大事にしているのは強い心・精神だ。セットの終盤で弱い気持ちが出ると大事な場面で点数を取ることができず、勝ち切れなくなる。そういう場面で強い気持ちを持って、対抗できる精神を構築していきたい。

――木村会長に質問。東京五輪でメダル獲得を目指すのであれば、毎月のように合宿を行っているバスケットボールと比べると始動が遅いように思う。それについてどう思うか。また、来年以降の強化プランを教えてほしい。

木村会長 今日までにも強化スタッフを中心に準備は進めてきております。どういう状況であろうが、バレー界はつい先日までV・プレミアリーグがありました。そういった意味で準備不足や準備の遅さという意味では、私はそう思っておりません。最初に言ったように、20年にメダルを取るんだというスタンスをいつも持ちながら、現場のスタッフが知恵を出しながら、メダルに近づくためにどうするのかを考えていきます。私の立場から言えば、「ヒト・モノ・カネ」をいかに充足できるかということに、会長という立場で神経を使っていければと思います。

高松「チームメートと切磋琢磨していきたい」

高松(右)は東京五輪への思いを語った 【スポーツナビ】

――各選手から今季に向けて意気込みを一言。

深津英 今年度はキャプテンを務めることになりました。最初は驚きがありましたが、シニアで日の丸をつけてキャプテンをやるということはすごく重みとプレッシャーがあることだと思いますので、すぐに強い気持ちで「やってやる」という気持ちになりました。

 僕の中では「いいチームで強いチーム」というのが目標としている姿なので、周りに応援されるチーム、そして強いチームを目指して全員でやっていければと思います。

藤井 代表初選出ですが、自分らしく頑張っていこうと思います。(初選出を聞いて)V・プレミアリーグというレベルの高い中で選んでいただけたことがうれしかったです。自分の特徴は早いテンポのバレーで、ミドルを生かすことだと思いますので、その辺りをアピールしたいと思います。まだまだ分からないことばかりですが、世界で勝つために何が必要なのかを考えて、毎日を大切に過ごしたいと思います。

関田 今シーズンは各大会で結果を残せるように、チーム一丸となってがんばります。トスだけではなく、ディフェンス面でも貢献できるようにがんばりたいです。

浅野 今シーズンは、守備でチームに貢献し勝利につなげていけるようがんばります。

井手 スポーツをやっている中で、こうすれば勝てるということはなかなかありませんが、バレーボールではサイドアウト率が高い方が90%の確率で勝つというデータがあります。自分がサイドアウト率を上げられるように努力していきたいと思います。

鶴田 リベロとして、コートの後ろからプレーと声で貢献できるようにしたいと思います。

古賀 代表に選出されたことに高揚感がありますし、使命感もあります。2年間海外でプレーしてきました。その経験を国内の選手にシェアするとともに、自分自身も成長できるようがんばります。

深津旭 監督とキャプテンを男にできるように、チーム一丸でやっていきたいと思います。

久原 代表に選んでいただいたことに感謝し、たくさんのことを吸収しながら安定したプレーで貢献したいと思います。

高松 東京五輪に向けて始動するこの年に、選出していただけたことに感謝したいと思います。同時に、チームメートと切磋琢磨(せっさたくま)しながらやっていきたいと思います。アピールポイントとしては、ディフェンスよりもオフェンスが得意なのでオフェンス面で貢献していきたいです。あとは、僕は他の選手よりも声が大きいみたいなので、しっかりと声を出して貢献したいと思います。

会見後には、公開練習が行われた 【坂本清】

石川 今年はディフェンス、オフェンス共にチームに貢献していきたいと思います。キャプテンが言ったように、いいチーム、強いチームになれるようがんばっていきたいと思います。

柳田 今年で代表4年目です。チームが新しい体制になる中で、自分の色が出せるようになりたいと思います。

栗山 しっかりと自分らしくプレーし、チームに貢献したいと思います。

高野 初選出ですが、自分のいいところをしっかりとアピールして最終メンバーに残れるようがんばっていきたいと思います。これまでアンダーカテゴリで代表に選んでいただいて、一緒にやった選手がいるので、やりやすい環境でやらせていただいています。しっかりといろいろなことを吸収して、自分のいいところであるディフェンス面などをアピールしたいです。

高橋 アピールポイントは声が出るところだと思います。選んでいただいたので、自分の持っているもので、どうやってチームに貢献するのかを考えながらやっていきたいと思います。

大竹 パワーのあるスパイクで相手のブロックをはじき飛ばしてチームに貢献すること、あとは強い覚悟を持って、いろいろなことに挑戦していきたいと思います。

チームは国内合宿を行い、6月からはワールドリーグに臨む 【坂本清】

山田 自分の色を出して、シニアでプレーする責任を感じながらプレーしたいと思います。

鈴木 自分らしくプレーして、少しでも日本の勝利に貢献したいと思います。

 代表では、スパイクで貢献したいと思います。よろしくお願いします。

出耒田 さまざまなことを吸収して個人として成長するとともに、チームの勝利に貢献できるよう全力でがんばりたいと思います。

山内 とにかく結果にこだわってプレーしていきたいと思います。個人としては、ブロックでチームに貢献します。

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