プレミア“ビッグ6”の負けられない戦い 佳境に入るリーグ終盤の見どころは?
優勝争いで優位に立つチェルシー
強豪がひしめくプレミアリーグ。終盤まで各クラブの負けられない戦いが続く 【Getty Images】
首位を走るチェルシーはこのまま逃げ切るか。アザール(左)とコスタが好調を維持している 【写真:ロイター/アフロ】
試合後、「このまま勢いに乗らなければ」と語っていたアントニオ・コンテ監督の言葉通り、続く25日の第34節サウサンプトン戦も、スタメン復帰のコスタとアザールが合わせて3ゴール1アシストで勝利(4−2)。2位との差を7ポイントに戻し、翌日に試合を控えるライバルへのプレッシャーを強めた(編注:その後、トッテナムは第28節クリスタルパレスに1−0で勝利)。
日程が厳しい2位トッテナム
トッテナムはプレッシャーとの戦いに打ち勝ち、悲願のリーグ優勝なるか 【写真:ロイター/アフロ】
とはいえ、最終節まで優勝の望みをつないだ場合も、すでに降格が決まっている可能性が高いサンダーランド(27日現在最下位)とホームで戦うチェルシーに対し、トッテナムが敵地で相手にするハルは残留への決戦モードという可能性がある(27日現在、降格圏まで勝ち点2差の17位)。
追う立場が気楽だと言われることもある僅差の優勝争いだが、主力に若手も多いトッテナムは、1961年以来となる悲願のリーグ優勝に向けて、2年ぶりの王座奪回を狙うチェルシー以上にプレッシャーとの戦いだ。
トップ4争いも混戦が続く
現在3位のリバプールだが取りこぼしが目立つ。CL出場権争いも最後まで予断を許さない 【写真:ロイター/アフロ】
ユルゲン・クロップ体制2年目のチームは、ハードなプレッシングを前提とするスタイルが浸透し、攻撃センスの光るフィリペ・コウチーニョなどは輝きを増している。クリスタルパレス戦で約27メートルの位置から決めたFKによる先制ゴールは、メディアで「荘厳」とまでたたえられた。しかし、その試合で敗れたように、ハイラインの裏を狙うロングボールとセットプレーへの守備が課題。強豪対決のない残り4試合でも、圧倒的にボールを支配しながらポイントを落とす悪いパターンを繰り返しかねない。
マンチェスター・シティも、残る6試合でCL出場権が両手から滑り落ちる危険性を秘める。ジョゼップ・グアルディオラ監督1年目で過渡期のチームは、やはり攻撃志向の裏返しで守備が安定しない上、アーセナルに敗れた23日のFAカップ準決勝(1−2)でセルヒオ・アグエロとダビド・シルバが負傷。27日のマンチェスター・ダービーへの出場が微妙だ。ホームでの「4位攻防戦」を前に、経験値の高い得点源とアシスト源が手負いの状態。1ポイント差で追いかけてくるマンUをたたくには、攻撃の主軸に成長したケビン・デ・ブライネの本領発揮が不可欠だ。
トップ4への執念ではアーセナルが随一。21年目を迎えたアーセン・ベンゲル体制下で失ったことのない「無形のトロフィー(CL出場権)」獲得が怪しくなると、第32節のミドルスブラ戦で、現体制では異例の3バックを採用した。新システムは、採用2戦目のFAカップ戦でマンCからの勝利をもたらしている。守備面ではセンターバック(CB)のガブリエウ・パウリスタが4バック時よりも堅実な守りを見せ始めた。肝心の前線ではアレクシス・サンチェスが2戦ともネットを揺らし、相変わらずの得点能力を発揮している。ベンゲルの進退では意見が割れるサポーターも、そろって残留を望むエースを引き止めるためにも、CL出場権を逃すことはできない。