「もう一度世界で戦う自分を見てほしい」 好調な滑り出しとなった入江陵介の再出発

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不安材料はパフォーマンスの波

パフォーマンスに波がある状況でも100メートルは制した。得意の200メートルでの11連覇にも期待がかかる 【奥井隆史】

 米国での充実したトレーニングを経たとはいえ、本人も不安要素を多く感じているのも事実。中でも最大の懸念はパフォーマンスの波だという。

「ようやく昔の自分を思い出すことができています。ただ、まだ100%ではないです。周期的に良くなったり悪くなったりという波がある」

 そんな中でも、まずは100メートルで結果を残すことができた。大会最終日には得意の200メートルで11連覇が懸かっており、おのずと周囲の期待も高まる。しかし本人はいたって冷静だ。

「自分に過大な期待をせずに、今できる100%をしっかりと出せるようにすることが第一だと思っています」

 自身の現在地は見極めつつ、基準はあくまでも世界を見据えている。今夏の世界水泳も通過点と捉えているようだ。

「まだ五輪後1年目なので、きちんと身体を作っていきたいと思い、米国でトレーニングしています。今100%では意味がない。東京五輪は特別なもの。そこに向けてチャレンジしたいですが、まだまだたくさん準備をしなければいけない。1年1年準備をして、最終目標として東京五輪に立てるように頑張りたい」

 3カ月の充電期間中、指導を行っていたスイミングスクールで子供たちの親に復帰を望まれて思ったことがあるという。

「もう一度、世界の最前線で戦う自分を見てほしい」

 リオで失った自信は、3年後の五輪で取り戻す。日本の背泳ぎをけん引してきたエースが再び歩みを始めた。

(取材・文:澤田和輝/スポーツナビ)

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