【新日本プロレス】オカダが柴田に辛勝V4もファレの襲撃で失神 ヒロムがKUSHIDA秒殺 後藤vs.みのるの因縁勃発

高木裕美

わずか116秒でKUSHIDAを返り討ち

ヒロムはゴングからわずか116秒でKUSHIDAを下しIWGPジュニアV3 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルでは、IWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロムが前王者のKUSHIDAをわずか2分足らずで返り討ち。次期挑戦者にはリコシェが名乗りを上げた。
 1.4東京ドームのリマッチとなったこの一戦。新日本ジュニアのエースを自負するKUSHIDAは、入場してくるヒロムにコーナーからのトペコンヒーロで奇襲攻撃を仕掛けると、イスに座らせてドロップキック。
 しかし、ヒロムも飛びつき式のパワーボムで場外マットに叩きつけると、必殺技のTIME BOMB2発でフィニッシュ。ゴングから116秒でのまさかの結末に場内が騒然となった。

リコシェが次期挑戦者に名乗り

リコシェが次期挑戦者に名乗り 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 ヒロムはKUSHIDAに馬乗りになり、その腕で時を刻んでいた時計をむしり取ってムシャムシャ。我こそは時を操る男であることをアピールするが、そこにリコシェが現れ、「オレは王様だ」と次期挑戦をアピールした。

 KUSHIDAの奇襲を呼んだ上で、その上を行く秒殺勝負を決めたヒロムは、「あいつの時代は完全に終わった」と言い放つと、「ひとつの時代をこんなに簡単に越えちゃって、申し訳ございませんでしたとKUSHIDA選手に伝えてください」と心にもなく泣いて詫びた上で、今度は満面の笑みで「リーコーシェー!あーそーぼー」とニヤリ。

 一方、名乗りを上げたリコシェは、「あのベルトが欲しい。ヒロムは前から問題ばかり起こしている。すべてを終わらせるのがオレの役目だろう。せいぜい首を洗って待っていろ。キングがお前に挑んでやる」と、王座初戴冠を宣言した。

鈴木軍乱入も後藤が大逆転でV3

後藤はザックの関節技に苦しみながらもNEVER王座防衛に成功 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 NEVER無差別級選手権では、王者・後藤洋央紀が鈴木軍入りしたザック・セイバーJr.を退けV3に成功。試合後は鈴木軍の大将・鈴木みのるとの遺恨が勃発した。
 過去にはプロレスリング・ノアのジュニア戦線で活躍していたザックは、3.6大田区で鈴木軍に電撃加入すると、3.7後楽園ではタッグ戦ながら、後藤からヨーロピアンクラッチで3カウントを奪取。いきなりのタイトル挑戦にこぎつけた。

 ザックは母国イギリス仕込みの確かなグラウンドテクニックで王者を圧倒。10分過ぎには決め技のジムブレイクスアームバーであと一歩まで追い詰めると、そこに鈴木軍の援軍も登場。

「次! 鈴木みのる!」次期挑戦者に指名

後藤はタイトルマッチに乱入したみのると試合後も大乱闘 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 レフェリー不在となったスキに、みのるが後藤にゴッチ式パイルドライバーを狙うが、後藤はこれを切り返すと、お返しの牛殺し。これで勢いがついた後藤は、ザックが仕掛けた因縁のヨーロピアンクラッチもカウント2でキックアウトすると、裏GTRからのGTRで大逆転勝利を決めた。

 試合後、後藤がみのるにNEVERのベルトを見せつけると、みのるがリングに駆け上がり、後藤にエルボー連打。一気に火が点いた後藤は「次! 鈴木みのる! いつでも来い!」と、“お宝”を狙う大将を次期挑戦者に指名した。

ウォーマシンが天コジ撃破でIWGPタッグ奪取

ウォーマシンの合体技フォールアウトで小島を粉砕 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 IWGPタッグ選手権試合では、ROHからの刺客・ウォーマシンことレイモンド・ロウ&ハンソン組が、天山広吉&小島聡の天コジを破り王座初戴冠となった。
 両軍は昨年11.26高知でのWORLD TAG公式戦で初対戦し、ウォーマシンが勝利している。

 ケガで欠場中の本間朋晃が復帰するまで王座を死守すると誓う天コジは、長年の絆で結ばれたチームワークで分断を狙うも、パワーとスピードの両方を擁するウォーマシンが勢いで圧倒。10分過ぎ、ハンソンが対角コーナーに据えた天コジに対し、交互に串刺しラリアットを連発し、場外へ落ちた天山めがけてトペスイシーダ。ロウは小島のカウンターのラリアットを食らいながらも、投げっぱなしジャーマンスープレックスで反撃に出ると、合体技のフォールアウトで粉砕した。

ウォーマシンは天コジを破り憧れのIWGPタッグ王座を初戴冠 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 憧れの新日本で王座を戴冠する長年の夢が叶ったハンソンとロウは「ウォーマシンが世界を壊滅させる!」と大興奮。だが、そこに元王者のタマ・トンガ&タンガ・ロア組が現れ、「ここはオレたちのテリトリーだ。ベルトは返してもらう」と、王座挑戦をアピール。両軍のタイトル戦が急浮上した。

ジュースが内藤から3カウント奪取

内藤から完ぺき3カウントを奪取したジュースはIC王座挑戦をアピール 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 IWGPインターコンチネンタル王者の内藤哲也が、8人タッグマッチながらジュース・ロビンソンに3カウントを献上。両者のタイトルマッチが決定的となった。
 ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバーと共に割れんばかりの大歓声に迎えられた内藤は、IC王座挑戦をアピールしていたロビンソンに見せ付けるかのように、この日もベルトを高々と投げ捨てて挑発。「テーマがない」今大会で、タグチ・ジャパンとの抗争にも気のないそぶりを見せていたが、チャンスを狙うロビンソンが猛追。内藤のスイングDDTを切り返し、ナックル、ラリアットでなぎ倒すと、パルプフリクションで脳天からマットに突き刺し3カウントを奪取した。
 実績を残したロビンソンは、倒れたままの内藤を見下ろし、ICベルトを手に王座挑戦をアピール。NJCで届かなかったIC王座挑戦権をほぼ手中に収めた。一方、敗れた内藤は「ドロール(痛い)だぜ、カブローン(バカ野郎)!」と、ロビンソンへの怒りを増幅させた。

タイチ&金丸義が邪道&外道を退け初防衛

邪道・外道組を下しジュニア王座防衛に成功したタイチ&金丸 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 IWGPジュニアタッグ選手権試合では、タイチ&金丸義信組が大ベテランの邪道&外道組を退け初防衛に成功。試合後は前王者組のロッキー・ロメロ&バレッタが挑戦をアピールした。
 観客の圧倒的支持を味方につけた邪道&外道に対し、鈴木軍はディーバの阿部未歩さん、セコンドのエル・デスペラードも加えた2対4の戦力差で対抗。邪道が金丸をクロスフェースオブJADOでギブアップさせる場面もあったものの、肝心のレフェリーが阿部さんのセクシー挑発に気を取られて気づかず。最大の勝機を逃した邪道を金丸がディープインパクトで仕留めた。

「今日はハイボールはダブルを出すまでもなかった。シングルで終わり」と勝ち誇るタイチに、金丸も「これで邪道・外道は終わりだ」とニヤリ。ロメロ&バレッタ組については「やる意味ねぇよ!……と言いたいところだが、やってやってもいいかななんて気はあるよ。次にあいつらを潰したらCHAOSジュニアは終わりだ」と、前回、鈴木軍の2連続挑戦を受けてくれた恩義に命じて、リマッチを受ける可能性を示唆した。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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