早大米式蹴球部 5年ぶりのアメフト早慶戦に勝利! 初陣を白星スタート

チーム・協会

第72回早慶アメリカンフットボール対校戦 4月29日 駒沢陸上競技場

早稲田スポーツ新聞会(記事 沼澤泰平、写真 河邨未羽、田部井駿平)

 駒沢陸上競技場に多くの観客が集まる中、5年ぶりの早慶戦が開催された。早大BIG BEARSは第1クォーター(Q)にフィールドゴール(FG)で先制すると、第2QではRB安藤慶太郎(社3=東京・早大学院)とRB長内一航(文構2=東京・早実)のランプレーによるタッチダウン(TD)で追加点を挙げる。さらにはDB鈴木晴貴副将(基理4=神奈川・鎌倉学園)のパントブロックリターンTDによって前半で計24点を獲得し、慶大UNICORNSを突き放す。第4Qには慶大の2つのTDを決められ追い上げられたものの逃げ切り、伝統の一戦を勝利で飾った。

相手をかわすRB安藤 【早稲田スポーツ新聞会】

【早稲田スポーツ新聞会】

 早大キックで試合開始。慶大のオフェンスをスリーアンドアウトに抑え、早大のオフェンスとなったが、最初のプレーでRB安藤がファンブルし攻守交代。慶大がFGを失敗すると、早大2回目のオフェンスドライブではQB八木義仁副将(政経4=東京・早大学院)のパスプレーを中心に1stダウンの更新を続ける。QB八木副将自らのランで敵陣深くに侵入すると、最後はWR平田裕雅(文4=東京・早実)のFGで先制した。続くディフェンスではDB鈴木副将のインターセプトで攻撃権が早大に移ると、ランプレーを中心に敵陣10ヤード付近に進み、RB安藤がランでTDを決めた。この後のディフェンスではDL齋藤菜穂都(政経4=東京・早大学院)のQBサックにより相手QBがファンブルすると、DL齋藤が自らボールをつかみターンオーバー。このオフェンスドライブでも敵陣10ヤードまで進むと、RB長内のTDランで追加点を挙げる。さらにディフェンスでは、DB鈴木副将が慶大のパントをブロック。そのままボールを拾いあげ、エンドゾーンまで駆け抜けTDを決め、慶大を突き放す。第2Q終了間際に慶大のQB山岡葵竜(3年)のパスがWR水野覚太(4年)に通り、89ヤードのロングゲインTDを決められ24―7で試合を折り返した。

TDを決めたRB長内 【早稲田スポーツ新聞会】

パントブロックからTDを決めたDB鈴木副将 【早稲田スポーツ新聞会】

 第3Qは早大のレシーブでスタートした。最初のオフェンスシリーズでは1stダウンを4回更新し、TDとはならなかったがWR平田がFGを決める。その後はDB永井泰成(文構4=東京・早大学院)が2つのインターセプトを決めるなど、ディフェンスがビッグプレーで盛り上げる。第3Qの後半にWR平田がもう一つFGを決め、23点の差をつけた。第4Qに入ると、4thダウンギャンブルに失敗し、慶大のオフェンスに。ここでパスプレーに対応できず、4プレー連続で1stダウンを更新される。さらに次の慶大のパスプレーでTDを決められ、後半初の失点。さらに次のオフェンスでハンドオフの際にファンブルしてしまい、自陣からのディフェンスに。ここでも慶大のQB松本和樹(4年)にTDランを許し、9点差に縮まる。続くオフェンスで得点を奪えず流れは完全に慶大に傾いたが、試合残り1分となったところでDL伊藤寛太郎(商3=東京・成蹊)のロスタックルがセーフティとなり、待望の追加点を挙げる。最後は早大がニーダウンで時計を進め、試合終了となった。

FGを決めるWR平田 【早稲田スポーツ新聞会】

 今年の初陣を白星発進となった早大。しかし、選手たちが浮かれることはない。約10日後の5月11日には関西の強豪・関西大との一戦が待っている。小林亮生主将(先理4=埼玉・早大本庄)が「関西に勝つというのは春の大きな1つのテーマ」というように、日本一を達成するためには避けては通れない道だ。一昨年、昨年と2年連続で関大に敗れている早大。今年はどのような試合にするのか、早大BIG BEARSの戦いぶりに期待したい。

【早稲田スポーツ新聞会】

◆コメント 髙岡勝監督(平4人卒、静岡・聖光学院)

ーーどのような気持ちで今日の試合に臨まれましたか

 やはり負けられない一戦で初戦ということで、本当に自分たちの持てる力を出して勝ち切るという気持ちで入りました。

ーー試合を振り返っていかがですか

 1クォーター15分という、甲子園(ボウル)を想定した中でデプスを厚くしていかなければならないということでやってきました。できたこと、できないことは今日の試合ではっきり分かったので、それをこれからどうやって補っていくか、というところで良い試合になったと思います。

ーー試合で見つかった収穫と課題を教えてください

 オフェンス、ディフェンス共に1本目は頑張れました。デプス2本目になると良いプレーも出ましたが、シチュエーションを考えられていないというところも出てきたので、そういうところを整理していきたいと思います。

ーー次戦となる関西大学戦の意気込みをお願いします

 やはり関西に勝たないと今年も厳しいので、関大に対して我々がどうチャレンジして結果を出せるというところで、本当に勝ちにこだわっていきます。

OL小林亮生主将(先理4=埼玉・早大本庄)

ーー今日の試合に臨むにあたってチームのテーマはありましたか

 この試合のスローガンは「プライド」だったのですが、文字通り早稲田のプライドをかけて戦い、絶対勝つという気持ちでやりました。

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

 まず本当に多くの方々に来ていただいて、いろいろな方が携わっていただいたおかげで成り立っていると思うので、感謝の気持ちを忘れずに、というのは試合前に全員に伝えました。試合に関しては、前半良い流れでTDを取れたのでよかったですが、後半の点差が開いた後に詰められて、チームの甘さが出ました。また後半はTDを取れなくて、どんなにドライブしてもTDを取れないと意味がないので、そこの詰めの甘さも今後の課題になったと思います。

ーーご自身を含めたオフェンス陣のパフォーマンスに関してはいかがでしたか

 オフェンスとしてはやってきたファンダメンタルが慶応には通用するということが分かりましたし、自分たちのやってきたことが間違っていなかったと思える内容でした。一方でハンドオフのミスやファンブルがあり、本当にこういうミスをしていると勝てないので、そこも詰めの甘さが出たと思います。

ーー次戦となる関西大学戦の意気込みをお願いします

 早慶戦のお祭り的な気分は今日でおしまいにして、関西に勝つというのは春の大きな1つのテーマなので、全員で2週間準備をして、チーム一丸となって戦いたいと思います。

DB鈴木晴貴副将(基理4=神奈川・鎌倉学園)

ーーどのような気持ちで今日の試合に臨まれましたか
思いきりのいいプレーをしようと思っていました。

ーー試合前半でのご自身のインターセプト、パントブロックリターンTDをそれぞれ振り返っていかがですか
 インターセプトについては、相手の研究していたことがプレーの前に来ると思ったので、それを取りきれてよかったです。パントブロックは、コーチやキックの主任、そしてみんなのおかげでたまたま上手くいったかなと。僕自身もびっくりしました。

ーー後半は苦しい時間が続きましたが、ディフェンスのユニットではどのようなことに意識しながらプレーしていましたか
 どんな状況でどんなメンバーが出ても、目の前の1プレーに集中することを口酸っぱく言っていました。体現できていたかは怪しかったので、この部分は反省したいと思います。

ーーディフェンス全体でのビッグプレーが多かったですが、そこに関してはいかがですか
 昨年から試合に出ていたメンバーが残っているので、1枚目はうまく機能している印象です。昨年からの主力は残っていますが、そういうビッグプレーが出るようになったのは、変わったところかなと思います。

ーー次戦となる関西大学戦の意気込みをお願いします
 やっぱり相手は関西のチームなので強いと思います。本当に目の前の1プレーに集中し、目の前の相手を倒していきたいです。

RB安藤慶太郎(社3=東京・早大学院)

ーー今日の試合を振り返っていかがですか
 5年ぶりの早慶戦ということで、勝つことが全てではないと思いますが、勝つことばかり考えて練習してきたので、最終的に勝って終わることができてよかったです。

ーー第2クォーターでのご自身のTDを振り返っていかがですか
 あのプレーはすごく自分の得意なプレーでもあって、練習のときから毎回成功していたものなので、本番で決めきれたことがよかったかなと思います。

ーーRBのユニットは新しい顔ぶれが多いですが、そこに関してはいかがですか
 昨年まで先輩が引っ張ってきたユニットなので、他の選手は試合経験が浅い選手も多いですが、今年の春は新しいコーチも入ってきて底上げもされているので、夏季はまとまった状態で挑めるように頑張っていきます。

ー次戦となる関西大学戦の意気込みをお願いします
 やっぱり関西は関東で味わえないような雰囲気を醸し出しているチームなので、そこで圧倒されず、自分たちのペースを大切にして、オフェンスで勝てるように頑張っていきたいと思います。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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