【K-1】プロボクサーから“電撃復帰”久保賢司「K-1がなかったら復帰することはなかった」
プロボクサーを引退した久保賢司が4.22K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメントで復帰が決定 【(C)K-1実行委員会】
元K−1 MAX王者・久保優太の実弟でもある久保賢司は、2012年にキックボクサーからプロボクサーに転向。4勝2敗の戦績を残したが、2015年8月21日に現役を引退し、今回K−1での復帰が電撃決定した。一度は格闘技から離れた久保が、K−1のリングで復帰を決めた理由とは。
チャンピオンになってベルトをジムに持ち帰る
久保 もともと公の場で話すのが大好きなんですけど、格闘家を引退してからは、公の場で話す機会はないんだろうなと思っていました。でもこうして会見で話してみて……やっぱりゾクゾクしましたね。
――久保選手はキックボクサーとしてプロデビューし、ボクシングに転向したあと、2015年に現役引退を表明しました。そこで今回、復帰を決意する決め手となったのは何だったんですか?
久保 今、僕はK−1ジム五反田を経営していて、いつも「どうしたらこのジムがもっといい場所になるだろう?」と考えていました。その時に「俺、まだ動けるな」と思ったんですよね。実際にプロ練習でも若い選手とバチバチ練習して、ブッ飛ばして体で覚えさせるみたいなこともやっていて。そういう時期に今回のオファーをいただいて「自分がK−1のトーナメントに出場して、K−1のベルトをジムに持って帰ってくるのが、ジムにとって1番いいんじゃないのかな」と思って一気にモチベーションが上がりました。
――例えばボクシングを引退して、格闘技に未練はなかったですか?
久保 完全に(格闘技を)やり切って、自分の中で完結していたので、全く未練はなかったですね。K−1ジム五反田がなかったら、絶対に復帰もなかったです。
――なぜそこまでジムへの愛が強くなったんですか?
久保 今まで僕はずっと個人スポーツをやってきて、今はジムでいろんなスタッフや会員さんに囲まれて「ここが自分の居場所だな」って思うんですよね。そういう環境を提供してくれたK−1にはすごく感謝しているし、今回のオファーをいただいた時にK−1チャンピオンになって、K−1のベルトをジムに持ち帰ることが、ジムやK−1に対しても1番だなと思いました。
――復帰に向けて練習を続けていて、ファイターとしての勘は戻ってきていますか?
久保 ジムでトレーナーをやっていて、若い選手に指導している時に「人に教えると自分も強くなるな」と思ったんですよね。指導をしていて、自分が現役で戦っている時には全く気付かなかった発見があったりして「俺、強くなってるんじゃないか?」と思っていました。今、本格的に練習を再開しているんですけど、以前よりも強くなって戻ってこれるという感覚をつかんでいます。
正式に復帰を決めて何百キロ走ったか、何百ラウンドミット・サンドバック打ちをやったか分からないぐらい……そのくらいやっています。そうすると自分の中の狂気が大きくなっているのを感じるんですよね。この狂気の気持ちを日常生活で抑えるのが苦しくなってきているので、この狂気がどうにかなってしまう前に早く試合が来てほしいです。
新生K−1がどういう雰囲気かを感じてから瞬殺します
キックボクサーからプロボクサーに転向した久保は元世界ランカー撃破で白星デビュー 【長谷川亮】
久保 先に兄が格闘技(テコンドー)をやっていて、中学生の時に「僕も格闘技始めようかな」と思って、たまたまインターネットで検索して出てきたのがムエタイのジムだったんです。それで僕はムエタイのジムに入って、あとから兄もそのジムに入ってきたという流れです。
――久保選手は第1回のK−1甲子園(2007年)に出場しているんですよね。
久保 はい。18歳の時に出場しました。ただ新生K−1は過去のK−1と比べて全然雰囲気が違って、いろんな意味で凄い舞台だなって思っています。
――1回戦の対戦相手がリャン・ボーユーからソン・ダーチェンに変更となりましたが、ダーチェンにはどんな印象がありますか?
久保 とても手強い選手で、間違いなく世界レベルの選手だと思います。でもトーナメントの初戦はウォーミングアップなので、リングの中で新生K−1がどういう雰囲気かを感じてから瞬殺します。
――1回戦を突破すると準決勝で寺戸伸近選手と対戦する可能性があります。寺戸選手には過去に敗れていますが、そこは意識していますか?
久保 意識していますね。ただ寺戸選手の1回戦の相手のジェイミー・ウィーラン選手もすごく強い選手だと思います。ジェイミー選手とも戦いたいという想いもあるので、どっちが勝ってくれてもラッキーって思う部分はあります。
――改めて久保選手は今K−1のベルトにはどんな想いがありますか?
久保 僕はK−1というモノに対してすごく愛着があります。ジムの運営にも携わらせてもらっていますし、K−1への愛着はどんどん強くなっています。だから絶対にK−1のベルトをジムに持って帰りたいですね。
――もしK−1がなければ格闘技に携わることもなかったと思いますか?
久保 そうですね。ボクシングの引退をして、K−1ジムの話がなければ、K−1に携わっていなかったと思います。そもそも格闘技に携わるつもりもなかったですし、ジムを経営することなんて一切頭になかったんです。だけどいざジムを経営するようになって、こんなに格闘技やK−1が素晴らしいものだと分かったので、もっともっといろんな人にK−1を広めたいと思っています。
――それでは最後に久保選手の復帰そして試合を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをいただけますか?
久保 僕がこのトーナメントに出場する意味、そして何をするべきか自分で分かっているつもりです。みなさんには僕の戦いぶりを見てほしいです。
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