“大和撫子”ヴィブロスが歓喜の勝利! ドバイワールドカップデー回顧

JRA-VAN

“大和撫子”ヴィブロスがG1ドバイターフを制覇 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 3月25日(現地時間)にアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイのメイダン競馬場で、サラブレッドによる8つの重賞競走(うちG1競走が5つ)とアラブによる1つの重賞競走が組まれるドバイワールドカップデーが行われた。
 1日の賞金総額では世界最高の3000万ドル(約33億3000万円)を誇るこのビッグイベントに、今年も日本からは11頭が6つの競走に挑戦した(G1ドバイターフを予定していたリアルスティールは鼻出血のため回避し、レースに出走したのは10頭)。

ヴィブロス、男馬相手にドバイターフ優勝

愛馬の活躍に、日米野球界で活躍した“大魔神”佐々木主浩オーナーも笑顔 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 昨年の優勝馬リアルスティール(牡5歳 栗東・矢作芳人厩舎)のアクシデントにより、日本からはヴィブロス(牝4歳 栗東・友道康夫厩舎)のみの出走となったG1ドバイターフ(芝1800m)は、大和撫子が大仕事をやってのけた。
 レースは掛かり気味にゴドルフィンのリブチェスターが先頭に立ち、途中からそれをなだめるように同じゴドルフィンのベリースペシャルがリブチェスターの前に出て先導。馬群は稍重の馬場を前半1000m=1:02.74で通過する。ヴィブロスは序盤から馬群後方のインコースでレースを進め、最後の直線では残り300m付近からJ.モレイラ騎手が外へと持ち出すと、弓から放たれた矢のように鋭く伸びて先頭でゴールを駆け抜けた。昨年10月のG1秋華賞に続く2つ目のG1タイトル獲得となり、牡馬混合のG1を制したことで、今後の選択肢が大きく広がった。

 日本調教馬によるG1ドバイターフの優勝は、レース名がG1ドバイデューティフリーとして行われていた時も含めて、2007年のアドマイヤムーン、14年のジャスタウェイ、そして昨年のリアルスティールに続く4頭目。牝馬がこのレースに優勝するのは、13年のサッジャー以来4年ぶり4頭目になった。

G1ドバイシーマクラシックに挑んだ、ルメール騎乗のサウンズオブアース 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 その他のレースで日本調教馬は残念ながら勝利を挙げることができなかったが、先陣を切ってG2ゴドルフィンマイル(ダート1600m)に出走したカフジテイク(牡5歳、栗東・湯窪幸雄厩舎)は持ち味である後方から追い上げを見せて、セカンドサマーからおよそ6馬身3/4差の5着。

 昨年のラニに続く勝利を目指してG2UAEダービー(ダート1900m)に出走したエピカリス(牡3歳、美浦・萩原清厩舎)とアディラート(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、積極的に先頭、2番手でレースを引っ張り、2着と12着。エピカリスは直線でサンダースノーとの激しい一騎打ちとなったが、短アタマ差およばなかった。

 G1ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200m)に出走したディオスコリダー(牡3歳、栗東・高橋義忠厩舎)は中団のやや後方からレースを進めるも、勝ったマインドユアビスケッツから大きく離されて11着。前哨戦のG3マハブアルシマール(7着)を含めた今回のディオスコリダーの遠征は、結果こそ残念なものだったが、3歳の早い時期にダート短距離路線で活躍する馬にとって、新たな可能性を示す挑戦だったと感じた。

 G1ドバイシーマクラシック(芝2410m)に臨んだサウンズオブアース(牡6歳、栗東・藤岡健一厩舎)は、渋った馬場が影響したのか、6着に敗退。優勝したジャックホブスは、昨年は骨盤を痛めてシーズンの大部分を休養したが、15年6月のG1愛ダービー以来となるG1・2勝目を挙げて復活をアピールした。今後は6月の「ロイヤルアスコット開催」でのG2ハードウィックSから7月のG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSへ向かう予定で、陣営が見つめるその先には10月のG1凱旋門賞も当然視野に入っているはずだ。

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