ロン・ハーパー、NBAの栄光と今を語る 「今のレイカーズにはベテランが必要」

鈴木栄一

マジック・ジョンソンは「チームのカルチャーを変えられる」

古巣・レイカーズのフロント入りしたマジック・ジョンソン(左)をハーパーはどう見る? 【Getty Images】

――では、今季のNBAについて聞かせてください。優勝候補はどのチームだと見ていますか?

(キャバリアーズの)レブロン・ジェームズがプレーしているチームは常に優勝候補だよ。ここ6、7年ずっとその状況は続いている。(ゴールデンステート・)ウォリアーズはケビン・デュラントが故障離脱してしまいましたが、彼が復帰できれば優勝に近い。キャバリアーズ、ウォリアーズがトップ2となる。他には(サンアントニオ・)スパーズ、(ヒューストン・)ロケッツが続く。デュラントがどこまでプレーできるか分からないけど、彼は戻ってくると思うよ。

――まだレギュラーシーズンも終わっていないですが、あなたの選ぶシーズンMVPを教えてください。

 ジェームズ・ハーデン(ロケッツ)、ラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー)、カワイ・レナード(サンアントニオ・スパーズ)、それにレブロン・ジェームズは常にMVP候補です。そしてケビン・デュラントも素晴らしいシーズンを送っていて、彼ら5人のうちの誰かになると思う。この5人が、私にとってもオールNBAファーストチームだね。

――古巣の1つであるレイカーズについて質問があります。最近、マジック・ジョンソンがフロント入りしました。彼がチームを良い方向に導いてくれると思いますか?

 彼はチームのカルチャーを変えられると思う。そして今、彼の主な役割は、FAでベテラン選手を獲得することだろうね。2、3年後にどうチームが変わっていくのか楽しみにしているよ。

――ルーク・ウォルトンHCについてはどのように見ていますか?

 彼のコーチング能力は問題ない。今年はタフなシーズンとなっているけど、改善していくだろう。そしてチーム全体がもちろん改善していかなければいけない。今のレイカーズには、まずはベテランが必要だ。闘争心を持って常にハードにプレーするベテランがね。

今は家族との時間を大切にしたい

インタビュー中、左手にはレイカーズ優勝時のチャンピオンリングが輝いていた 【スポーツナビ】

――元チームメートであるティロン・ルーは、今キャバリアーズのHCを務めています。現役時代から、指揮官として成功する素養はあったと思いますか?

 彼は1人の人間として素晴らしい人物です。そして偉大なコーチと一緒にプレーしてきました。今、キャバリアーズで良い仕事をしていると思う。そして彼の成功については驚いてはいません。チームにはNBAのベストプレーヤーがいるのだから。

――キャバリアーズはあなたにとって地元のチームです。やはり昨季のリーグ優勝は格別なものでしたか?

 オハイオの人間として特別でした。それは間違いないね。

――今後、コーチングに携わることに興味を持っていますか?

 それはないね。今は家族と一緒に過ごす時間を大切にしている。子どもたちは素晴らしい選手であり、彼らを近くで見守っていきたいんだ。

――最後に質問があります。今、指にはめているチャンピオンリングはいつのものですか?

 これはレイカーズのものです。ブルズで獲得したものは、シカゴにあるスポーツ博物館に寄贈したんだ。手元に2つあれば十分だと思うよ。

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著者プロフィール

1977年、山梨県生まれ。アメリカ・オレゴン大学ジャーナリズム学部在学中に「NBA新世紀」(ベースボールマガジン社)でライター活動を開始し、現在に到る。毎年、秋から冬にかけて母校オレゴン・ダックスの成績に一喜一憂している。

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