大国・米国はWBCで盛り上がらず… ラテンアメリカでは対照的な反応
価値観がまだ確立されていない大会
『Sportsnews.com』のライター、ジェイソン・フォスター氏は無関心のメディアやファンの気持ちをこう代弁する。
「エリートが勢ぞろいするベースボールをライブで見られることは悪くない。おそらくファンは少しは見るだろう。だがMLB機構が盛り上げようとしているほどファンの関心は高くないんだ」
その理由は何なのか?
実際に米国では、有料のMLB専用チャンネル以外ではテレビでWBC特集やCMを見ない。これではWBCが歴史あるイベントとして根を張っていくとは考えにくい。MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏は、MLBがWBCという大会の強化に本腰を入れていないという批判に対して「そんなことはなくWBCは今後さらに飛躍するポテンシャルを持つ」とコメントしているが具体的な手段やアイデアには言及していない。
メキシコでは政府、地元が一体に
メキシコチームの監督で元巨人のエドガー・ゴンザレスは、「メキシコは南部がサッカー人気、北部が野球人気の傾向だが、今回は南部のグアダラハラであえて1次ラウンドを実施することで、新規ファンを増やそうと野球関係者、政府、地元が一体となって今大会を成功させようとしている」と教えてくれた。
野球大国・米国打倒への執念
また、それらの国内リーグやマイナーリーグでプレーする選手にとってはショーケースの場という側面も持ち、WBCに集まるスカウトや各国の野球関係者の目に留まろうと必死にプレーすることも、盛り上げに一役買っているはずだ。
米国での注目度の低さはイベントの歴史が低いだけなのか? 他国の様に王者の座を狙うハングリー精神に欠けるのか? 今後のWBCの継続と成功のカギを握る米国の“本気”が見たい。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ