侍Jには“理想的展開”の黒星だった!? 経験の少ない指揮官に必要な開き直り
3日の阪神戦、渋い表情で戦況を見守る小久保監督(写真左) 【写真は共同】
先発の武田翔太が変化球のコントロールに苦しみ、2回3失点で降板。打線は阪神投手陣を打ちあぐね、試合中盤までゼロが続いた。8回表に1点差とした直後、クローザー候補でもある秋吉亮が1点を失った。そして、そのまま敗戦。
WBCを制するにはこうした苦しい展開をどこかで乗り越える必要があり、本番前に経験できたのはプラス材料と言える。
ただし、阪神戦では嫌な流れをひっくり返すことはできなかった。だからこそ試合後、小久保裕紀監督は心の揺れを見せたのかもしれない。
指揮官に見えた采配の迷い
6回無死一塁、小林に送りバントを命じたが… 【写真は共同】
「本番だったとしても迷うところですけど、送りバントの可能性もあるなと思いました。去年(11月)の強化試合でもそうなんですけど、(最後となる)3番目のキャッチャーを出すときにはよほどリスクを覚悟でいかないといけない。あのシチュエーションでは、言ってしまえば3番目のキャッチャーを(交代で)いくと(試合終盤に)もうひと勝負できなくなるので、そのためには(代打の駒を)置いておこうかなとベンチで自問自答していました」
起用できない嶋をベンチに置いていることで、現在の侍ジャパンは手詰まりを早く起こしていた。その嶋は2日、小久保監督に辞退を伝え、代わって埼玉西武の炭谷銀仁朗が追加招集されることが4日午前中に発表された。経験豊富な炭谷が加わることで、状況的には試合終盤の代打策などを打ちやすくなっており、小久保監督が勝負への状況判断を的確にしていくことが求められる。