カタールからやってきたカーリングチーム 2試合で「1−39」の惨敗も笑顔弾ける

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会場を魅了した笑顔

韓国と戦うカタールチーム(赤)。経験値、技術……レベルの違いはあれど、競技を楽しむ姿が光った 【写真は共同】

 そんなカタールチームだが、何点差付けられても決して下を向くことはなかった。大会前の会見で自分たちのストロングポイントを「楽しむこと」と語っていた通り、10点差、20点差を付けられた絶望的な状況でも笑顔を見せ、時には大きな笑い声をあげることすらあった。さすがに試合中の大笑いはカーリングのマナーから外れるかもしれないが、それでも彼らの楽しそうな姿は観客を引き付ける。

 それはプレーする選手も同じだったよう。LS北見のサード本橋麻里は「なんか戦うの嫌だなっていうか(笑)。『がんばれー!』みたいな感じでした」と試合を振り返った。

 実は大会前、LS北見は地元・常呂町での合宿に男女カタールチームを招待し、食事をともにするなど交流を深めていたのだと言う。「ホームタウンもすごい気に入ってくれて、またチャンスがあったら常呂に戻ってきたいって言ってくれて。将来拮抗(きっこう)するようなチームになるかもしれないですけど、いい仲間とカーリングができてすごく幸せです」。

「カタールのような国がもっと増えてほしい」

カーリング女子1次リーグ  試合後、カタールの選手たちと笑顔で記念撮影するLS北見・藤沢(右端)=どうぎんカーリングスタジアム 【共同】

 アジア大会はアジアナンバーワンを決める大会であるとともに、「アジア版五輪」と言われるように、参加することにも意義がある大会でもある。SC軽井沢のスキップ両角友佑はカタールについてこう語った。

「カーリングをやってくれる国が増えるというのは競技にとって良いことだと思いますし、そういう国がもっと増えてくれればうれしいです。どんどん強くなってくれればまたライバルも増えますし。がんばってっていうのもおかしいですけど(笑)、でもそんな気持ちですね」

 この日行われた試合は、男子が2試合で計1−39、女子が1−17。残された試合は男女ともに3試合ある。勝利は難しいかもしれないが、1点でも多く、1つでも楽しい“経験”を持ちかえってほしい。

(取材・文:藤田大豪/スポーツナビ)

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