アラベスが今シーズン過ごす幸福な時間 バルセロナとの国王杯決勝を待ちわびる
どん底から復活し、1部へ昇格
その後クラブはチームを1部昇格に導いたホセ・ボルダラス前監督との契約を解消し、05−06シーズンにアラベスで現役最後の1年を過ごしたペジェグリーノを招へいした。
ペジェグリーノは選手として国内外で多くのタイトルを獲得しただけでなく、指導者としてもラファエル・ベニテスのアシスタントコーチとしてリバプールやインテルで経験を積んだ後、監督としてスペインのバレンシア、アルゼンチンのエストゥディアンテスとインデペンディエンテを率いてきた。
インデペンディエンテは21世紀に入って以降、国内で1タイトル、国外で1タイトルしか獲得できておらず、早急な結果を求められたために志半ばで職を解かれた。だがバスクのクラブをよく知り、選手として、監督としてヨーロッパで経験を積んできた彼は、アラベスの求める監督像にスムーズに適応することができた。
堅固な組織力を武器に快進撃を続ける
左サイドバックのテオ・エルナンデスはアトレティコ・マドリー、ボランチのマルコス・ジョレンテはレアル・マドリー、2列目のビクトル・カマラサはレバンテ、前線のルベン・ソブリーノはマンチェスター・シティから期限付き移籍で加入した若手有望株。ベテランDFのアレクシス・ルアーノ、コロンビア代表MFのダニエル・トーレス、天才キッカーのイバイ・ゴメス、ストライカーのクリスティアン・サントスやデイベルソン・シウバらも、やはり今季に加入した新戦力だ。
彼らは寄せ集め集団とは思えぬ堅固な組織力を武器に、コパ・デル・レイの準決勝でセルタ・デ・ビーゴとの激戦を制した。バルセロナに挑戦する5月の決勝は、今季終了後の取り壊しが決まっているビセンテ・カルデロンで行われるラストマッチとなる可能性がある。
幸福に満ちた今この時を、アラベスのファンたちがかみ締めるように過ごしているのも当然のことだ。このような時が訪れることを、彼らはずっと待ち続けてきたのだから。
(翻訳:工藤拓)