ユタカ魅せた、サブちゃん3度目の涙……キタサンブラック完ぺき逃走でJC完勝

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ブラックGI・3勝目、武豊はJC史上最多4勝目

武豊&キタサンブラックが逃げ切り快勝でジャパンカップを制覇 【写真:中原義史】

 世界の強豪を迎え撃つJRA秋の大一番、第36回GIジャパンカップが27日、東京競馬場2400メートル芝を舞台に争われ、武豊騎乗で演歌歌手の北島三郎さんがオーナー(名義は(有)大野商事)を務める1番人気キタサンブラック(牡4=栗東・清水厩舎、父ブラックタイド)が優勝。好スタートから先手を奪うと、そのまま後続に影も踏ませぬ逃げ切り勝ちでGI・3勝目を手中にした。良馬場の勝ちタイムは2分25秒8。

 キタサンブラックは今回の勝利でJRA通算13戦8勝。重賞は2015年GI菊花賞、同年GIIスプリングステークス、同年GIIセントライト記念、16年GI天皇賞・春、同年GII京都大賞典に続き6勝目。武豊は史上最多となるジャパンカップ4勝目、清水久詞調教師は同レース初勝利となった。

オーナーは演歌歌手の北島三郎さん、キタサンブラックはGI通算3勝目となった 【写真:中原義史】

 なお、2馬身半差の2着にはミルコ・デムーロ騎乗の5番人気サウンズオブアース(牡5=栗東・藤岡厩舎)、さらにクビ差の3着には福永祐一騎乗で元シアトルマリナーズの佐々木主浩さんがオーナーを務める6番人気シュヴァルグラン(牡4=栗東・友道厩舎)が入った。

「涙がボロボロとこぼれました」

 春の淀を彩ったサブちゃんの『まつり』が、今度は秋の府中で響き渡った。

「♪これが日本の〜、競馬だよ〜」

 8万観衆の手拍子の中、そう歌い上げた北島さん。その歌声には、菊花賞、天皇賞・春とはまた違った“万感の想い”が込められていた。

サブちゃん(左)が今度は府中で「まつり」の歌声を響かせた 【写真:中原義史】

「ちょっと体調を崩していたんですが、これだけ多くの皆さんが待っていてくれて、手拍子をいただいて、競馬ファンの皆さんの方から歌い始めたときには胸が熱くなりました。武さんが『僕は歌いませんからね』って言うもんだから、じゃあ私が歌わないわけにはいかないでしょう(笑)。本当にありがとうございます。心から感謝しています」

 8月末に自宅で転倒し頸椎症性脊髄症の治療のため入院。手術も受けて無事に退院したが、今も体調は決して万全ではないという。しかし、「キタサンブラックで勝って快気祝いを送ります」という武豊の言葉に元気づけられ、それがこの日、現実のものとなった。

「泣きました。涙がボロボロとこぼれました。こんなに嬉しいことはない。もう明日にはすっかり元気になって歩けるんじゃないかと思う。本当にすごく元気になりましたよ!」

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