サブちゃん愛馬、無敗3連勝で皐月賞へ! 「今度は歌う!」クラシック制覇も見えた
キタサンブラックがスプリングS勝利
北島三郎さん(右から2人目)の所有馬キタサンブラックがスプリングSを制覇、無敗3連勝で皐月賞へ 【スポーツナビ】
キタサンブラックは国民的演歌歌手の北島三郎さんがオーナー(名義は(有)大野商事)で、今回の勝利でJRA通算3戦3勝。重賞は初勝利。北村宏、同馬を管理する清水久詞調教師ともに、スプリングSは初勝利となった。
クビ差の2着には福永祐一騎乗の1番人気リアルスティール(牡3=栗東・矢作厩舎)、さらに3/4馬身差には、昨年の2歳王者で蛯名正義騎乗の2番人気ダノンプラチナ(牡3=美浦・国枝厩舎)が入線。この上位3着馬までに皐月賞(4月19日、中山競馬場2000メートル芝)への優先出走権が与えられる。
北島三郎さん「気分は最高!」
1番人気リアルスティール、2歳王者ダノンプラチナらを蹴散らし主役候補に躍り出た 【スポーツナビ】
天下の北島三郎さんも、愛馬のGII制覇に心なしか夢見心地のように見えた。2001年のキタサンチャンネル(GII・NZT)、キタサンヒボタン(GIIIファンタジーS)以来14年ぶりの重賞制覇。しかも、これは単なる重賞ではない。馬主ならば誰もが夢見るクラシック制覇が、ハッキリと視界に映る大きな1勝なのだ。
レースは、ポンと好スタートから2番手をキープ。前半1000メートルの通過が62秒6という、いかにもトライアルレースらしいスローペースだ。これだけペースが遅いと折り合いに苦労する馬も出てくるものだが、キタサンブラックは悠々とラップを刻んでいる。北村宏が振り返った。
「うまくスタートを切ることができましたし、ストライドの大きい馬なのでスムーズに行こうと思って乗っていました。そうですね、ペースが遅い割りにみんなゆっくり後ろで構えていたので、自分はリズムを崩さないようにと」
センス抜群! キャリア3戦にして自在の脚
行って良し、差して良しとセンスの高さが持ち味だ 【スポーツナビ】
「先頭の馬が急に下がってきたり、直線半ばではハトがいたりして馬は物見をしていたんですが、『頑張れ、頑張れ!』って追いました」
ゴール直前で同じくここまで2戦2勝の1番人気、リアルスティールが猛追してきたもののクビ差まで詰めるのが精一杯。ついに誰にも先頭を明け渡すことなく、ゴール板へと飛び込んだ。
「いろんな競馬ができますし、いい馬ですね」と北村宏が語るように、新馬戦は追い込み、2戦目は一転して先行押し切り、そしてこの日もペースと内枠を利してサッと先行策で押し切ってみせるなど、わずか3戦のキャリアにして自在の競馬が可能というセンスの良さ。また、関西馬なのに新馬、続く500万とわざわざ東京まで運んできたということ、またストライドの大きさから考えても、陣営としては広い東京コースでこそ能力を発揮できると考えてのことだったのだろうが、このスプリングSの結果を見ればそれも杞憂だった。さらに多頭数となる皐月賞でも、持ち前のセンスで難なくこなしてしまうのではないだろうか。