侍ジャパンの初戦はキューバに決定 WBC東京プール開催概要会見

中島大輔

来年3月のWBC1次ラウンド初戦がキューバに決まった侍ジャパン。小久保監督は「強豪が1戦目でいい準備ができる」と前向きにとらえた 【(C)SAMURAI JAPAN】

 来年3月、東京ドームで行われるワールド・ベースボール・クラシックの1次ラウンド、2次ラウンド(東京プール)の開催概要が発表された。

 1次ラウンド、2次ラウンドともに4チームによる総当りのリーグ戦。3チームの勝率が同率になった場合、後日発表される「同率チームの順位決定ルール」に従って、2勝1敗で並んだ場合は1位チームが勝ち抜け、2位と3位でプレーオフ、1勝2敗で並んだ場足は4位チームが敗退、2位と3位でプレーオフを実施する。

 日本の1次ラウンド日程は、3月7日にキューバ(19時)、8日にオーストラリア(19時)、10日に中国(19時)に決まった。

 また、WBC直前の強化試合の日程も発表され、日本は3日19時から阪神、5日19時からオリックスと対戦する。

「強敵が初戦でいい準備に入れる」

以下は概要会見の小久保監督の一問一答。

――WBC1次ラウンドを勝ち抜くためには対戦する順番もポイントになってくると思います。日程を見ていかがでしょうか。

 正式に日程が発表されました。今日からの強化試合4試合はそれに向けて戦うわけですけど、その後に、より現実的に先発ピッチャーだったり、2番手ピッチャーだったり、投手編成が入ってくるかなと思います。

――初戦の相手がキューバ。開幕戦の重要性とキューバの印象を教えてください。

 大学時代からキューバに行ったりして、対戦はよくしていました。あの頃よりは少しキューバの野球の印象は変わってきています。メジャーに行ってすぐに活躍できる選手が多い、レベルの高い国だと思います。そういう国と初戦に当たるということは、逆に日本として「強敵が1戦目だ」という思いになれるので、いい準備に入れるんじゃないかなと思います。

――今大会からプレーオフというルールが採用されます。普段の戦いより1点の重みが重要になってくると思いますが、その点に関してどう思いますか。

 そこを考える前に、しっかり勝ちを取ることが先決だと思います。対戦国がはっきりした分、データを含めた準備もしやすくなるのかなと思います。

――キューバは最近亡命する選手が出たりして、代表チームの実力は以前ほどではないのでは?という意見があります。小久保監督はどう捉えていますか。

 打者で言えば、デスパイネ(千葉ロッテ)が中心になってくると思います。亡命した選手も参加する可能性もあると聞いています。その辺りはこれからロースターが出た後にしっかり準備したいと思います。

――一番の強敵と目されるキューバが最初に来ます。対戦する順番について、現時点での感想を教えてください。

 キューバじゃなくても初戦はかなり大事になると思います。(3月)7日にキューバ戦が入ったということ。その前に指定される強化試合が大阪で組まれているということ。その前から考えると、逆算して2月の中旬に代表として集まってからのピッチャーの調整ですね。キューバというより、1戦目に向けての準備が大切になると思います。

「先発型のピッチャーが8人必要」

――多くのファンから勝利を期待されていると思います。1次ラウンドをどうやって勝ち抜くつもりなのか。2次ラウンドでまた強敵が現れてきますが、そこに休憩がなくて連戦になります。どういうつもりで勝っていこうとするのか、具体的に感じていることを教えてください。

 具体的にピッチャー編成を決めているわけではないので、なかなか具体的にお話をしにくいところです。日程が発表された通り、なかなか中4日では回せない日程になっています。当然ピッチャーは先発型のピッチャーが8名最低必要だと思っています。今回の強化試合も8名選んでいるなかでローテーションを組みました。1次ラウンドを突破した後、次の第2ラウンドに向けてその8人でローテーションを組んでいくことになると思います。まだ具体的なことを決めていませんから、申し上げられません。

――WBCではこれまでダブルエリミネーションといった2回負けたら終わりという方式が採用されていたこともありました。今回は総当たりのリーグ戦が続くということで、何か采配を振るうえで違いが生じることがあれば教えてください。

 まずは2月に集まってから、招集した選手たちの状態を見極めることが先決だと思っています。過去の例を見ても、オフ明けの3月なので状態の上がってこない選手もいることが多かったみたいです。まずはどの投手が一番状態を上げるかということが一番大切だと思っています。

東京プール・試合ルール&日程

■試合ルール

 東京プールの1次ラウンド、2次ラウンドは4チームによる総当たり戦方式で行われるが、3チームが2勝1敗、もしくは1勝2敗で並んだ場合、プレーオフを実施する。プレーオフに出場するチームは以下のとおり決める。
※同率となった3チームについて、別途定めた「同率チームの順位決定ルール」に従って順位を決定する。
・2勝1敗の場合:1位チームはプレーオフを戦わず勝ち抜けとし、2・3位チームによるプレーオフを実施する。プレーオフに勝利したチームが次ラウンドへ進出する。
・1勝2敗の場合:4位チームはプレーオフを戦わず敗退とし、2・3位チームよるプレーオフを実施する。プレーオフに勝利したチームが次ラウンドへ進出する。
※「同率チームの順位決定ルール」は決定し次第、発表する。

■試合日程
●1次ラウンド(東京プール/すべて東京ドーム)
3月7日(火)19:00〜 日本 vs. キューバ
3月8日(水)12:00〜 キューバ vs. 中国
3月8日(水)19:00〜 日本 vs. オーストラリア
3月9日(木)19:00〜 オーストラリア vs. 中国
3月10日(金)12:00〜 キューバ vs. オーストラリア
3月10日(金)19:00〜 日本 vs. 中国
3月11日(土)19:00〜 プレーオフ

●2次ラウンド(東京プール/すべて東京ドーム)
※日本が1次ラウンド1位通過の場合
3月12日(日)12:00〜 東京2位 vs. ソウル1位
3月12日(日)19:00〜 日本 vs. ソウル2位
3月13日(月)19:00〜 ソウル1位 vs. ソウル2位
3月14日(火)19:00〜 日本 vs. 東京2位
3月15日(水)12:00〜 東京2位 vs. ソウル2位
3月15日(水)19:00〜 日本 vs. ソウル1位
3月16日(木)19:00〜 プレーオフ

※日本が1次ラウンド2位通過の場合および日本不出場の場合
3月12日(日)12:00〜 東京1位 vs. ソウル1位
3月12日(日)19:00〜 東京2位 vs. ソウル2位
3月13日(月)19:00〜 ソウル1位 vs. ソウル2位
3月14日(火)19:00〜 東京2位 vs. 東京1位
3月15日(水)12:00〜 東京1位 vs. ソウル2位
3月15日(水)19:00〜 東京2位 vs. ソウル1位
3月16日(木)19:00〜 プレーオフ

●WBC強化試合(試合はすべて京セラドーム大阪)
3月3日(金)12:00〜 オリックス vs. キューバ
3月3日(金)19:00〜 阪神 vs. 日本
3月4日(土)12:00〜 オリックス vs. 中国
3月4日(土)19:00〜 阪神 vs. オーストラリア
3月5日(日)12:00〜 西武 vs. キューバ
3月5日(日)19:00〜 オリックス vs. 日本
3月6日(月)12:00〜 西武 vs. 中国
3月6日(月)19:00〜 オリックス vs. オーストラリア
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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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