「十両から見よう」はもったいない! スー女が教える相撲観戦の楽しみ方

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出待ち、入り待ちの心得

「相撲好き」というより「相撲マニア」の域に達している山根千佳さん 【写真提供:スポーツライブエンターテインメント株式会社】

 力士名鑑を常にバッグに入れて持ち歩いているという山根さんは、さらに一歩進んだ生観戦の魅力を知り尽くす、筋金入りのスー女の一人。彼女が取組と同じくらい楽しみにしているというのが、力士と直接触れ合える「入り待ち」「出待ち」だ。簡単にはマネできそうにない、”足で稼ぐ”相撲の楽しみ方を熱弁した。

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山根 私はまず、入り待ち出待ちに徹底する日と普通に観戦する日を完全に分けています。入り待ち出待ちの日は、ヒールを履くと立っているのが大変なので、絶対にペタンコのシューズで。少しでも足がむくまないように頑張って、サインをいただきます。

 勝った力士の方には写真を撮っていただいたりするんですけれど、負けた力士の方には話しかけないように心がけています。本当に普通だと思うんですが、やっぱり勝負の世界、負けた方に「サインください」とは少し言い辛いので、そこは言わないようにしています。

司会 やっぱりサインとかも相当収集されているんですか?

山根 はい、これが(サインを集めている)今年の力士名鑑。毎年変わっちゃうので、まだ(今年は)あんまり貰えていないんですけれど……。

喜屋武 すごい、ほぼ集まっている!

清野 1年経って、力士名鑑が新しくなったら、また(一から)貰うわけですか?

山根 そうです。(だから)1月場所は入り待ち出待ちで大忙しなんですよ。(名鑑を)まだぴかぴかの状態で持っているので。

清野 文字通り足で稼いでいますね。

山根 こういうお仕事をしていて力士の方とお会いする機会も多いので、「そのときにサインをもらっているんじゃないの?」ってよく言われがちですが、それだけは絶対にしないと決めています。みなさんと同じ環境でもらいにいけるときに行くようにしています。
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 随所に相撲への愛がヒシヒシと感じられた今回の座談会。この4人は本物の相撲好き、いやスー女だと感じさせられた。

相撲初心者におススメの力士は?

 最後に、これから大相撲を見てみようという新しいファンへ、4人からオススメの力士を教えてもらった。

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能町 新入幕の石浦関です。小兵で相撲がなによりおもしろくて、今幕内で多分体重も一番軽いんじゃないかな。あんまり今の力士らしくない、格闘家って感じの力士で、これから大注目なので見てほしいですね。

田名部 結婚された佐田の海関。すごくかっこよくて大好きなんですけれども、やっぱり奥さんをいただいたということで更に強くなられるんじゃないかなと思うので、注目しています。

喜屋武 私は(新入幕の大輝改め)北勝富士関に頑張って欲しいなと思っていて。いい人がいたら結婚したいらしいので、是非応募してみてください(笑)。

山根 私は高安関。見た目が毛深くて熊さんみたいなんですよ。その時点ですごく覚えやすいと思いますし、かわいらしい感じで笑顔も素敵です。次の11月場所は大関挑戦の場所で、もし12勝前後勝つことができれば昇進できるので、そういった意味でもすごく注目です。
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 ひいきの力士を応援するもよし、出待ちで直接触れ合うのもよし、はたまた生観戦を楽しみながら舌鼓を打つのもよし。いくつもの楽しみ方ができる大相撲だからこそ、近年の人気復活につながっているのかもしれない。豪栄道と多くの相撲ファンの夢を乗せた11月場所は、13日に福岡国際センターで初日を迎える。

(取材・文:藤田大豪/スポーツナビ)

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