菅野に並んだドラ1候補・佐々木千隼 直球だけの投げ込みで闘争心も復活
自らで考え成長できる選手
都立日野高から桜美林大とやや異色の経歴を歩み、ドラフト1位候補まで成長した佐々木 【撮影:高木遊】
高校は私立優勢の東京にあって、都立日野高へ進学。最上級生となってからエースとなり、早稲田実業や日大鶴ヶ丘高といった甲子園出場経験のある学校を破り、西東京大会8強進出に貢献した。だが、その後も強豪校ではなく、当時は首都大学2部リーグに所属していた桜美林大に進学。實川助監督の熱心な誘いに応じて、練習に足を運ぶと「声も出ていて、ガチガチした上下関係もない練習の雰囲気でした」と、都立日野高に似たムードを感じ進学を決めた。
そして「自分でトレーニングできる選手なので、ウチで成長できたのでしょう」と實川助監督が語るように、自主性が重んじられ、自らで考え追い込むことができる環境の中で、一歩ずつ成長を遂げてきた。
今春は防御率0.27、4完封と脅威の成績をマーク。7月に行われた日米大学野球では、開幕投手に抜てきされ7回1失点12奪三振の好投を見せるなど、その注目度と評価はうなぎ上り。この東海大戦でも、東北楽天の福田功チーム統轄本部副会長補佐が「安定していたフォームから質の良いストレートを投げ、決め球の変化球もしっかり決めることができています」と話すなど、視察した8球団のスカウトの前で、あらためてその能力の高さを見せつけた。
そして、自らのあるべき姿を再確認した試合後は、精悍(せいかん)さが増した表情が、これまで以上に頼もしいものとなっていたのが印象的だった。