【ラグビー/NTTリーグワン】中途半端な姿は見せられない。倒れるたびに 立ち上がってきたベテランが100%を出し切る<クリタウォーターガッシュ昭島>

クリタウォーターガッシュ昭島 中尾選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24ディビジョン3のレギュラーシーズン最終節。クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、マツダスカイアクティブズ広島を厚木市荻野運動公園競技場に迎え、D2との入替戦進出を懸けた大一番に臨む。

勝てば入替戦進出、引き分け以下なら即シーズン終了の一戦を前に、練習の雰囲気も緊張感が高まっている。ひと際気合いの入った姿を見せていたのは、ピッチ外でのリーダー役となるクラブキャプテンの中尾光男だ。

「今シーズンはけがでまったくチームに貢献できていないので、最後になんとか間に合って良かったです。(この試合で)負けたら終わり。とにかくチームに貢献したいです」

中尾光男はこれまで3度の前十字靭帯断裂という大けがに見舞われ、そのたびに立ち上がってきた。3度目の前十字靭帯断裂のときには引退も考えたが、周りの声に背中を押されて、現役続行を決めた。

そこからは、「いつ引退するか、いつ現役を終えるか」を考え続ける日々。そのことで頭がいっぱいになった。そして、たどり着いた答えは、「毎日、自分のできる100%のプレーをすること」だった。

「息子がいるのですが、中途半端にやっている父親はカッコ悪いでしょう。そんな姿を見せられないですし、両親に対しても、中途半端な姿は見せたくないです」

中尾光男にとってはけがからの復帰戦、WG昭島にとっては入替戦進出を懸けた負けられない戦い。誰もが譲れない大事な試合を前にして、不屈の男は言う。

「自分のやることは変わらないです。その日できることを100%やり切る。スキルも気持ちも、すべて出し切って、全力でプレーします。高校からラグビーを始めましたが、この年齢になるまで現役を続けているなんて、想像もしていなかった。ここまでこられてとても幸せです」

中尾光男のトレードマークといえば“白のヘッドキャップ”。大学生のときに父親がくれたものを、それ以来、ずっと使い続けている。長いラグビー生活を支えてくれたすべてのものに感謝して、中尾光男が入替戦への切符をもぎ取りにいく。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)
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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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