【ラグビー/NTTリーグワン】成長を促すための新たな試み。 指揮官が選手たちに説いてきた“主体性”<三重ホンダヒート>

三重ホンダヒート キアラン・クローリー ヘッドコーチ(中央) 【©ジャパンラグビーリーグワン】

初のディビジョン1の舞台に挑んだ三重ホンダヒート(以下、三重H)のリーグ戦もいよいよ最終節。三重交通G スポーツの杜 鈴鹿に5位・コベルコ神戸スティーラーズを迎える。

キアラン・クローリー ヘッドコーチは、「(D1/D2)入替戦でどのチームと対戦するのかが決まる大事な試合。今シーズンの最も重要な2試合に向けた準備の一環としてフォーカスしつつ、選手のコンディションなども考慮しながら戦いたい」と話す。

「今シーズンはD1に長く在籍しているチームとの戦いに苦戦してきましたが、チームは正しい方向に向かっていると信じています。選手もスタッフもハードワークしてきた結果、フィジカルや戦術面のレベルが上がってきました。一貫性という部分でも向上しつつあると感じています」(中央)

プロセスを重視する指揮官は、チームの成長を促すために新たな試みを導入してきた。

「私はイタリア代表チームの指揮をした経験があるので、コーチとして、まずはその国の文化を受け入れる必要があると理解しています。日本の選手は言われたことを遂行する能力は非常に高い。ただ、グラウンド上では決められたことに加えて、自分で適切な判断をする必要があります」

豊富な経験を持つ指揮官は、練習やミーティング、準備において「ownership(主体性)」を持つことの大切さを説く。選手自身が考える機会を増やすため、選手にプレゼンテーションをさせたこともある。ミーティングでは一方通行にならないよう、全選手の番号を箱に入れ、引いた番号の選手に「このミーティングで何を学んだか」などを答えさせている。

「日本人は間違ったらどうしようという不安から自分の意見を躊躇する傾向があります。発言することでチームに関与しているという意識を高め、選手たちを勇気づけることにつながります」

さまざまな方法でチームの強化と選手の成長を促してきたキアラン・クローリー ヘッドコーチ。「われわれの今シーズンがどうだったのかは最後の入替戦の2試合で評価されてしまいます。試合に出場する23人だけでなく、全選手が自分の役割を果たし、この1年間でそれぞれ成長してきました。残り3試合もプロセスを大切にして、そのプロセスをスコアボードへとつなげたいと考えています」。

(山田智子)
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ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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