南ア撃破から1年、輝きを増す立川理道 「新しいジャパンとして次につなげる」

斉藤健仁

第3節では勝利を引き寄せるトライ

クボタでは今季から主将を務める 【斉藤健仁】

 事実、開幕から連敗で迎えた9月10日のトップリーグの第3節、立川が秩父宮ラグビー場でテストマッチプレイヤーらしいプレーを披露する。クボタは14対22で負けていたが、後半33分、「自分はトライを取るプレイヤーではないですが(苦笑)、相手のミスマッチを突くことができました」と立川が冷静かつ素晴らしいステップで3点差に迫るトライを挙げる。そして、1点差の37分にルイ・フーシェのドロップゴールが決まり24対22で逆転、ルディケHC(ヘッドコーチ)に日本での初白星をプレゼントした。

 また、「社会人チームでは初めてのキャプテンで、勉強になると思いますし、何でも受け入れていきたい」という立川も、キャプテンとして初勝利を挙げて「ホッとしました」と安堵の表情を見せた。それでもすぐに次の試合に気持ちを切り替えて「日本代表やサンウルブズと役割は違いますが、リーダーとして、ルディケHCのやりたいことをどれだけ落とし込めるか。そして、今までのクボタは波があったので、少しでもその波を少なくしていきたい」。続く第4節もクボタは18対15とホンダとの接戦を制して連勝、10位につけている。

立川を日本代表新主将に推す声も

「29歳で迎える2019年のW杯は大きなターゲットになる」と語る立川 【写真:アフロスポーツ】

 そんな立川にとって、今、ラグビー選手としてのモチベーションとなっているのは、やはり「日本代表」だという。9月に就任したジェイミー・ジョセフ新HCは、現在、トップリーグの試合を見るだけでなく、各チームを回っている。立川の下にも足を運んだという。

「ジョセフさんがHCになってまだ(代表活動が)始まっていないですし、クボタのシーズンを充実させ、新しいジャパンに選ばれてスタートラインに立ちたい。そして、29歳で迎える2019年のW杯は大きなターゲットになっています。ベースは2015年のメンバーになると思うので、W杯の経験を伝えていきたいですし、自分も責任を持ってやっていきたい」(立川)

 さらに、エディー・ジャパン時代のキャプテンであるリーチ マイケルや他の日本代表選手から「立川選手を新キャプテンにすれば?と推す声もあるが……」という質問をぶつけると「たくさんリーダーがいるので、連係しながらやってきたい」と言うにとどまったが、リーダーとしての自覚は十分である。

2019年のW杯で「いい結果が出せれば」

2019年のW杯日本大会でも、南アフリカ戦勝利のような結果を残したい 【写真:ロイター/アフロ】

 立川は秋のテストマッチ、そして、その先に思いを馳せる。「11月に対戦するアルゼンチンは、スーパーラグビーのジャガーズとは違いますし、ラグビーチャンピオンシップ(南半球の強豪4カ国の対抗戦)で南アフリカに勝っています。2015年のW杯の結果に引っ張られることなく、秋のテストマッチでは新しいジャパンとして次につなげていきたいですし、2019年でいい結果が出せればと思います」

 2012年1月の大学選手権決勝、惜しくも準優勝に終わった天理大を引っ張っていたスキッパーに、将来の日本代表の躍進を重ねたラグビーファンも多かったはずだ。順調にキャリアを積み上げ、ラグビー選手としてピークを迎えようとしているクボタ、サンウルブズ、そして日本代表の「12」番の輝きは増すばかりだ。

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著者プロフィール

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)、「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「ラグビー語辞典」(誠文堂新光社)、「はじめてでもよく分かるラグビー観戦入門」(海竜社)など著書多数。

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