ソフトバンクと日本ハムが最後の直接対決 パ・リーグ天下分け目の一戦の見どころ

田尻耕太郎

打の日本ハムは西川と岡に注目

日本ハムのキーマンとなる西川。現在41試合連続出塁中 【写真は共同】

 打の日本ハム。注目したいのは西川遥輝と岡大海の2人だ。

 得点源は大谷翔平(初戦には先発登板する見込み)であり、中田翔であり、リーグ本塁打トップのレアードの名前が挙げられるが、チャンスメーカーの西川が現在41試合連続出塁中、さらにパ3位の38盗塁で塁上をにぎわせているのが日本ハムの強みとなっている。

 そして岡は33試合出場、128打席ながら打率3割8分5厘をマーク。高い身体能力が武器で、こちらも俊足が魅力の選手だ。しかし、故障が多いのが玉にキズで、今季も右足首痛で出遅れて1軍昇格は6月20日だった。だが、8月4日の試合で右太もも肉離れを発症して離脱した。それでも岡がいた時期の日本ハムは、例の15連勝などとにかく手の付けられない強さを見せつけた。逆に岡の故障後はチームの勢いも一気に下降しており、ラッキーボーイ的存在といえる。9月13日にようやく再昇格。同じ外野手の陽岱鋼の故障もあり出番はありそうだ。

相性悪い千賀と武田だが…

初戦の先発は今季12勝2敗と好成績の千賀 【写真は共同】

 その両者を抑え込みたいソフトバンク。初戦は千賀滉大、2戦目は武田翔太が先発する。いずれも2ケタ勝利を挙げている若き右のエース候補2人だ。

 千賀は12勝2敗。あと1つ勝てば、最高勝率のタイトル獲得に大きく前進する。防御率2.61はリーグ2位の安定感。165奪三振はパ2位で投球回数よりも多い。剛腕の証だ。ただし、日本ハムは今季初黒星を喫した相手で、舞台も同じヤフオクドームだった。8月6日のその試合は、6回13奪三振も5失点(自責点4)。日本ハム打線が三振覚悟でとにかく球数を投げさせる作戦を徹底し、第1ストライクはほとんど見逃した。今回も同様の作戦で来るとは限らないが、慎重になり過ぎずに自分の良い球を信じて大胆に勝負をすることも必要になるだろう。

 武田は13勝7敗、防御率2.71(パ3位)。しかし、日本ハム戦は今季0勝1敗、防御率6.57と苦戦気味だ。相性を跳ね返す投球が出来るか。

 また、キーマン同士の対戦成績は次の通りだ。

千賀vs.西川:10打数2安打6三振1四球
千賀vs.岡:3打数2安打1三振
武田vs.西川:5打数0安打1三振1四球
武田vs.岡:対戦なし

 また、ソフトバンクはこのところ打線が好調。直近5試合で38得点をマークしている。特に内川聖一が24打数12安打2本塁打10打点、松田宣浩が21打数9安打3本塁打6打点と中軸が当たりだしたのが大きい。

両チームとも優勝マジック点灯目前

 優勝へのマジックは、ソフトバンクが9月2日に「20」を点灯させたが、現在は消滅している。

 この2連戦では両チームにマジック点灯の可能性がある。ソフトバンクは1勝でもすればマジックが再点灯し、早ければ21日にもM8。また、ソフトバンクは引き分け、引き分けでも22日にM8が再点灯する。日本ハムは連勝でM6が点灯。1勝1分ならばM7がつく。

 2連戦以降もソフトバンクは8試合、日本ハムは7試合が残っており、ここですべてが決するわけではないが、両チームファンならずとも2016年プロ野球の大一番は大いなる注目の中で行われることになる。

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著者プロフィール

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

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