ソフトバンクと日本ハムが最後の直接対決 パ・リーグ天下分け目の一戦の見どころ

田尻耕太郎

2位日本ハムとゲーム差なし、勝率の差で首位に立つソフトバンク。19日のオリックス戦では劣勢を跳ねのけ引き分けに持ち込んだ 【写真は共同】

 いざ決戦へ、ゲーム差は0。勝率わずか3厘差。

 首位:福岡ソフトバンク 78勝49敗6分 勝率6割1分4厘
 2位:北海道日本ハム  80勝51敗3分 勝率6割1分1厘

 21日と22日、この両チームが今季最後の直接対決を迎える。舞台はソフトバンクの本拠地ヤフオクドーム。まさしく天下分け目のパ・リーグ大一番となる。果たして、どこに勝機があるのか。何が勝負のアヤとなるのか。今季の対戦データ、現在のチーム状況を分析して、ずばりそのポイントを絞ってみた。

現在の両チームの状況は?

 ソフトバンクは19日のオリックス戦に引き分けたものの4連勝中。その内容も、土壇場の9回2アウトに追いつき、さらに延長12回表1死満塁、カウント3ボール1ストライクの危機も脱してつかんだドローだ。

 日本ハムも千葉ロッテとの3連戦をスイープして福岡へ乗り込んでくる。17日は14対6とやはり打線が爆発した。

 両チームとも上り調子で対決することになった。

対戦成績では日本ハムが優勢

今季、日本ハムは13勝9敗1分けとソフトバンク相手に優位に立つ。中でも7月3日は1番・投手の大谷が大活躍 【写真は共同】

 今季の対戦成績は日本ハムが13勝9敗1分と勝ち越している。最終決戦となるヤフオクドームに絞っても日本ハムが7勝3敗と優勢。逆にソフトバンクは地の利すらも生かし切れていない。

 7月1日〜3日の対戦が象徴的だった。日本ハムが全勝。ちょうど15連勝中(この3戦が8〜10連勝時)と最も波に乗っていた時期だった。なかでも3日は「1番投手・大谷翔平」がプレーボール本塁打を放つとんでもない離れ業を演じ、投げては8回無失点、10奪三振の快投でソフトバンクを完全に黙らせた。ここでの3連勝でゲーム差「6.5」へ接近。今季最大11.5差もあったわけで、結果的にはこの3連戦での勢いが、現在の熱パを生み出す要因となった。

 ただし、全23試合を振り返ると、今カードはとにかく接戦が多い。半分以上の14試合(引き分け除く)が2点差以内の決着。うち1点差が9試合もある。ちなみに1点差ならば、ソフトバンクの6勝3敗だ。

日本ハムは打、ソフトバンクは投がカギ

 接戦――これが一つのキーワードになりそうだ。

 僅差で終盤までもつれた場合、苦しいのは守護神不在の日本ハムの方だろう。マーティンの離脱はやはり痛恨の極みだ。代役の吉川光夫は勢いのある球こそ投げるが、ここ一番で制球難を露呈している。19日のロッテ戦も3点リードで登板ながら満塁のピンチを作り押し出し死球で失点。途中降板となった。リリーフを任されて6試合に登板しているが、1イニングを打者3人で抑えたのは一度もない。

 ソフトバンクにはすでに2年連続セーブ王を確定させたサファテがいる。一方で今季はセットアッパーがずっと不安定だったのが課題で、ここにきて森唯斗とスアレスも肝心な場面で打たれることが目立っていたが、先発だった岩嵜翔と東浜巨をブルペン待機させて手を打った。特に岩嵜は過去にリリーフ経験もあり、現在はチームで最も安定したリリーバーとなっている。12球団一の選手層の厚さが生かした格好だ。

 となれば、日本ハムは打って点を取るのが勝利の近道になるし、逆にソフトバンクは特に先発投手がしっかりと仕事をすればいい。それぞれの勝機はそこにある。

1/2ページ

著者プロフィール

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント