KUSHIDAが金丸との王者対決を制し初優勝 IWGPJr.タッグ、GHCJr.タッグは共に防衛

高木裕美

7年ぶりの開催となったスーパーJ杯はKUSHIDAが初優勝 【横田修平】

 7年ぶりに復活した、団体の枠を超えたジュニアヘビー級の祭典「SUPER J-CUP 2016」が21日、東京・有明コロシアムで開催され、3041人を動員した。

 トーナメント決勝戦では、新日本プロレスの現IWGPジュニアヘビー級王者のKUSHIDAと、プロレスリング・ノアの現GHCジュニアヘビー級王者・金丸義信による現役ジュニア王者対決が実現。KUSHIDAがホバーボードロックで勝利し、ノア勢を4タテにしての初優勝を果たした。

鈴木軍の介入にも耐えKUSHIDAが金丸をギブアップ

鈴木軍の介入に負けず、KUSHIDAが金丸からギブアップを奪った 【横田修平】

 KUSHIDAは1回戦でノアの石森太二、2回戦では拳王と激闘を展開。準決勝では鈴木軍のタイチの小ずるいファイトに1対3のハンディ戦を強いられながらも辛勝した。

 迎えた決勝戦。これまでの2試合のダメージで、左肩にテーピングを施したKUSHIDAに対し、金丸は徹底した首攻め。KUSHIDAも鉄柱超えのトペコンヒーロ、さらにはミッドナイトエクスプレスも繰り出すが、セコンドのエル・デスペラードがレフェリーの足を引っ張ってカウントを阻止。ライガーがセコンドを排除すると、今度はタイチが乱入してブラックメフィストを敢行。すかさず金丸がディープインパクト、エプロンでの垂直落下式のブレーンバスターとたたみかける。しかし、必殺技のタッチアウトはKUSHIDAが阻止し、直後に渾身のマサヒロタナカを炸裂。自身も拳にダメージを負いながらも、この一発で試合の流れを変えたKUSHIDAは、エプロンに立つタイチを蹴散らしてながら、ホバーボードロックで捕獲。なおも介入を狙うタイチを田口がヒップアタックで追い払ったため、援軍を失った金丸があえなくギブアップした。

 優勝者の証である黄金のジャケットをまとったKUSHIDAは、かつてのタイムスプリッターズの盟友、アレックス・シェリーと抱き合い、涙。ファンの大歓声を受けながら「みなさんを明るい未来へお連れします」と約束した。

 バックステージでは、今年6月の「BEST OF THE SUPER Jr.」公式戦でKUSHIDAに勝利しているBUSHIから「オレをIWGPジュニアの次期挑戦者に指名しろよ」と詰め寄られる場面もあったが、新日本ジュニアのみならず、団体・階級・国境の枠を超えてプロレス界全体を引っ張っていく覚悟のKUSHIDAはまったく動じず。「今日の勝利は感無量。トーナメントでは、4人ともノアで活躍している人と戦い、チャンピオンとしてより一層、気が引き締まった。IWGPジュニア王者のKUSHIDAはどこへでも行く。世界で通用するレスラーになりたい」と、今後のビジョンとして、タイム・マシンガンズとしてのNEVER無差別級6人タッグ王座への挑戦や、来年の「G1クライマックス」初参戦などを掲げた。

ヤングバックスが防衛でブリスコ兄弟に挑戦状

ヤングバックスが防衛に成功 【横田修平】

 セミファイナルでは、新日本プロレスのIWGPジュニアタッグ選手権を開催。マット・ジャクソン&ニック・ジャクソンのヤングバックスが、クリス・セイビン&アレックス・シェリーのモーターシティマシンガンズ(MCMG)を退け、初防衛に成功。試合後は、現IWGPタッグ王者であるマーク・ブリスコ&ジェイ・ブリスコのブリスコ兄弟とのタイトルマッチ実現をブチ上げた。

 ヤングバックスはこれまで同王座を5度に渡り戴冠。一方、今年ROHで再結成されたMCMGは、7年半前に一度、同王座に輝いており、タッグとしては約7年ぶりの来日となる。

 開始早々、ロープに立つシェリーの股の間をくぐってセイビンがトペスイシーダを放てば、王者組もマットの後ろからニックがトペコンヒーロ。兄弟の絆で結ばれ、長年タッグ屋として活躍してきたヤングバックスが、圧倒的な連係で攻め立てる。MCMGも10分過ぎ、代名詞ともいえる合体技のメイドインデトロイトをマットに決めるも、ニックがカット。王者組は、まずはシェリーに場外マット上でのインディーテイカーを炸裂させると、孤立したセイビンにメルツァードライバーを発射し、マットに沈めた。

 試合後、マットは「このベルトはすでに5回も巻いているし、ジュニアに敵はいない。それなら、階級に関係なく、ブリスコ兄弟とやってもいいんじゃないのか」と現IWGPタッグ王者組のブリスコ兄弟との対戦をアピールした。

 ブリスコ兄弟とはROHでも何度も対戦しており、新日本でもNEVER無差別級6人タッグを争って抗争を展開。ブリスコ兄弟VSヤングバックスによる究極の兄弟対決は、階級を超えた超次元の戦いとなりそうだ。

原田&小峠が挑戦者に邪道外道を逆指名

桃の青春タッグは、しこりののこる邪道&外道を次期挑戦者に逆指名 【横田修平】

 プロレスリング・ノアのGHCジュニアタッグ選手権試合では、原田大輔&小峠篤司の桃の青春タッグが、今年の「第10回日テレG+杯争奪ジュニア・タッグリーグ戦」で優勝した石森太二&ACH組を退け4度目の防衛に成功。次期挑戦者として、因縁のある新日本の邪道、外道組を指名した。

 桃の青春タッグは、挑戦者組に対し、タッグリーグ公式戦、優勝決定戦と2連敗中。この日も挑戦者組が試合を優位に進め、早くも10分ごろには石森の450°スプラッシュ&ACHのミッドナイトスターが同時に繰り出されるも、王者組も同時にヒザ剣山でブロック。ピンチを切り抜ける。原田は石森にニーアッパー、カナディアンバックブリーカーからのターンオーバーニーを繰り出すと、小峠がACHにカニバサミを仕掛け、倒れたところへ原田がカウンターのニーアッパー。まだダメージの残る石森に小峠がキルスイッチ、原田が片山ジャーマンスープレックスとたたみかけて勝利した。

 大舞台で結果を残した小峠は「次の挑戦者を逆指名したい」と、リング上から邪道&外道を呼び出し。両軍はノア6.12後楽園ホール大会で、同王座を賭けた3WAY戦(もう1組はタイチ&TAKAみちのく組)で対戦したものの、小峠がTAKAを下し防衛に成功。だが、直接勝敗に関わらなかった邪道&外道とのしこりが残ったままとなっていた。

 リングに現れた邪道は「おまえら、人を呼びつけておいて、タイトルに挑戦して来いだと? 顔じゃねえんだよ」と言い放つと、外道も「おまえらは邪道、外道を倒すことができない。なんでか分かるか? レェェェェベルが違うんだよ」と一蹴。だが、小峠も「もう2人は過去の人間なんで、乗り越えさせていただきます」と、レジェンドタッグを踏み台扱いし、リング上で激しくにらみ合った。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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