リーガ3強を脅かすチームは現れるか? EL3連覇のセビージャにかかる期待

バルセロナに生じた重要な変化

ダニエウ・アウベスの退団など、昨季王者のバルセロナにはいくつかの変化があった 【Getty Images】

 昨季王者のバルセロナにはいくつか重要な変化が生じた。一時代を築いたダニエウ・アウベスとアドリアーノ・コレイアの退団はその1つだ。

 その傍ら、新たにデニス・スアレスやルーカス・ディーニェ、サミュエル・ウムティティ、アンドレ・ゴメスら20代前半の若い選手が多数加わった。ルイス・エンリケ監督も今季のチームは就任以降、最も充実した陣容と認めている。アルダ・トゥランの復調、ハビエル・マスチェラーノとの契約延長も期待を膨らませるニュースである。

 対照的に、先述の4チームを除く上位争いの常連チームは軒並み不安を抱えてのスタートとなりそうだ。

 パコ・アジェスタラン監督の続投が決まったバレンシアはマルティン・モントーヤやナニを獲得した一方、アルバロ・ネグレド、アンドレ・ゴメス、ソフィアン・フェグリら主力を多数放出している。アレシャンドレ・パトやラファエル・サントス・ボッレを加えたビジャレアルは執行部と衝突したマルセリーノ・ガルシア・トラル監督が開幕前に解任され、フラン・エスクリバ新監督の指揮下でCLの予選プレーオフに臨んでいる。

今季も良質のスペクタクルを期待

第14節に行われるエル・クラシコ。今季のリーガはし烈なタイトル争いを見せてくれるだろうか? 【写真:ロイター/アフロ】

 今季のリーガには5人の南米人監督がいる。うち4人はアルゼンチン人(シメオネ、サンパオリ、セルタのエドゥアルド・ベリッソ、アラベスのマウリシオ・ペジェグリーノ)で、1人はウルグアイ人(ベティスのグスタボ・ポジェ)。ジダンは6人目の外国人監督となり、残る14人はみなスペイン人監督だ。

 早くも第5節にバルセロナ対アトレティコ・マドリーがカンプノウで行われ、第12節にはアトレティコ・マドリー対レアル・マドリーのマドリーダービー、第14節にはバルセロナ対レアル・マドリーのエル・クラシコが組まれている。レアル・マドリーはシーズン後半にホームで行われるクラシコで、直接ライバルをたたくチャンスを得ることになる。

 今季もリーガはわれわれの期待を裏切ることなく、良質のスペクタクルを提供してくれるはずだ。し烈なタイトル争いが最後まで続くことを願っている。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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