【新日本プロレス】衝撃の結末…棚橋vs.オカダは壮絶30分ドロー Aブロックは後藤が大逆転で優勝決定戦進出

高木裕美

決勝では本当のストロングスタイルを見せる

大逆転で優勝決定戦進出が決まった後藤は「本当のストロングスタイルを見せてやる」と気合 【横田修平】

 セミファイナルでは、後藤洋央紀が“方舟の天才”ことプロレスリング・ノアの丸藤正道を撃破。08年以来8年ぶり2度目の優勝へ王手をかけた。
 8年前に初出場初優勝の偉業を達成した際、「G1のGは後藤のG」と叫んだ後藤に対し、ノアの看板を背負う丸藤は「G1のGはGHCのG」と主張。

後藤が丸藤を下し「後藤のG」証明へ

GTRで丸藤を粉砕 【横田修平】

 どちらのGが本物かを証明する戦いは、丸藤が天性のひらめきを開花。鉄柵を飛び越えてのフェースクラッシャーや強烈な逆水平チョップ、後藤の死角からのフロムコーナートゥコーナーなどを繰り出すと、虎王をクリーンヒット。だが、後藤は不知火を懸命に阻止すると、虎王を頭突きでカットし、ミドルキック、牛殺し。スリーパーでじっくりと締め上げてから、GTRでトドメをさした。

 公式戦の直接対決では棚橋、オカダの両者に敗れていた後藤だが、メインが引き分けに終わったことで、1点差の首位に浮上。「決勝では言葉じゃない、本当のストロングスタイルを見せてやる」と、新たな“後藤革命”の始まりを示唆した。

トンガがレスラーのプライドでファレに勝利

【横田修平】

 優勝圏内にいたバッドラック・ファレは、タマ・トンガとのバレットクラブ同門対決に敗れあと一歩及ばず。裏工作で、トンガに勝ち星を献上する出来レースを要求するも、トンガがレスラーのプライドにかけて拒否。裏切りに憤ったファレは、バッドラックフォールで場外へ投げ捨てるという荒業で怒りを爆発させるも、逆にこれで火がついたトンガが、グラネードをヴェレノで切り返し、ガンスタンで3カウントを奪取。試合後はノーサイドとなり、絆を確かめ合った。

真壁と石井は最終戦でも壮絶打撃戦

【横田修平】

 これまで4度NEVER無差別級王座を争った真壁刀義と石井智宏は、今回もゴツゴツとした打撃戦を展開。序盤からチョップ、エルボー、張り手を打ち合うと、真壁はスパイダージャーマンからのキングコングニードロップを狙うが、石井が寸前でかわし、ラリアット相打ち3連発から頭突き、ラリアット、スライディングラリアット、垂直落下式ブレーンバスターとたたみかけてフィニッシュ。今年のG1では、“レインメーカー”オカダから大金星を奪うなど、大きな収穫のあった石井に対し、真壁は4連勝からの5連敗という屈辱の大失速に終わった。

天山、最下位も温かい拍手と歓声

【横田修平】

 これが「最後の夏」との意気込みで臨んだ天山広吉は、SANADAに敗れ、2勝7敗のリーグ戦最下位で公式戦を終了。だが、客席からは温かい拍手と歓声が送られた。
 出場権を譲渡してくれた盟友・小島聡が見守る中、全日本プロレス時代に小島の付き人であったSANADAが先にムーンサルトプレスを出すと、天山もTTDからムーンサルトを放つが、かわされて自爆。
 さらに小島に勝利を捧げるべく、ヒジのサポーターを投げ捨ててラリアットを打ち込むも、カウント2。アナコンダバイス、アナコンダバスターでも仕留めきれず。SANADAがムーンサルトプレスからSkull Endでつかまえると、粘っていた猛牛もついに力尽きた。
 試合後、大「天山」コールを受け、涙を流す天山に対し、小島は笑顔で抱きしめると、ガッチリと握手をかわし、「2人」で駆け抜けた今年の夏を噛み締めた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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