出番なしのイチロー、次回先発の機会は? 「無理に打たせることはない」と監督明言

丹羽政善

カージナルスの相手投手から見ると…

マッティングリー監督はカージナルスとの4連戦でどういう判断をするか? 【Getty Images】

 さて、そうこうしているうちにホームスタンドも残り4試合となり、3000安打に必要な残り3本をすべて代打で打つのは厳しくなった。先発機会があるかどうかだが、カージナルスとの4連戦のうち、少なくとも1試合、多ければ2試合、マッティングリー監督は相手投手とのマッチアップ次第でイチローを起用したいと考えているそうだ。

 そのマッチアップ――。

 28日のカージナルス先発は右腕マイケル・ワカだ。イチローの対戦成績は4打数1安打で、ジャンカルロ・スタントンは2打数1安打、クリスチャン・イエリッチは3打数1安打、マルセル・オズーナは未対戦となっている。この結果では、相性のいい、悪いも見えてこないが、29日は多少、相性らしきものがうかがえる。

 先発は右のマイク・リークで、イチローが4打数1安打、オズーナが9打数3安打だが、スタントンが12打数2安打、イエリッチが10打数1安打とやや苦手にしている。

 決してイチローがリークをカモにしているわけではないものの、これならスタントンかイエリッチのどちらかが、スタメンを外れる可能性はある。

 その後、30日は先発が未定で、31日はカルロス・マルティネスの予定。イチローはマルティネスと1回しか対戦がなくノーヒット。スタントンは2打数1安打、イエリッチは3打数2安打、オズーナは6打数2安打。

29日の先発出場が有力か

 こう見ると、マッティングリー監督がマッチアップにこだわる限り、やはり29日が一番妥当。逆に他の投手のときにスタメンで出ることがあるとしたら、監督の言っていることとの整合性がとれない。

 その日なら同時に、イエリッチも休ませられる。実は監督は今、イエリッチに休みを与えたいと考えている。この日も点差がつくと、途中交代させたのはそういう意味だが、彼は膝と腰に故障を抱えるだけに、無理はさせられない。しかも目下、チームは20連戦のまっただ中。好調だったことから決断を先延ばしにしてきたが、さすがにそろそろではないか。

 あとは、監督の決断次第。イチローは、29日にスタメン出場――。そのシナリオが一番順当だが。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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