錦織「五輪は誇り、喜びのために」 脇腹痛も問題なし リオへ照準

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チャンコーチとの3年で技術・メンタルが向上

錦織はロンドン五輪以降、チャンコーチ(左)に師事し、二人三脚で歩んできた 【スポーツナビ】

――具体的にけがの回復具合は?

(当初は)寝返りすら痛かったです。特に最後に痛めた(ウィンブルドン)4回戦の後は、寝返りで痛かったり、くしゃみで痛かったり、触ると痛かったり。今はもう大丈夫です。回復しています。

――過去2回腹筋を痛めているが、自分のなかで弱い部分だと感じているか? また、今後の腹筋との付き合い方は?

 弱いかなというのは確実にあると思います。100パーセントではないんですけど、強い弱い以前に他に可能性があるのは自分のフォームだったりという可能性もあります。なので、そこの部分を鍛えることももちろんしますし、周りの筋肉もそうですし、フォームを改善する可能性ももちろんあるので、うまく付き合っていきたいです。ここ何年か、腹筋のけがはいくつかあるので、なるべく出ないようにしたいです。

――フォームというのは具体的に?

 一番はやっぱりサーブですね。腹筋をもっとも使うので。もちろん背筋だったり全身を使うので、そこで負荷が出ている可能性はあると思います。そこの見直しはしていきます。

――ウィンブルドンは残念な結果だったが、あの後の試合、決勝戦などはチェックしたのか?

 全部は見てないですけど、少しはやっぱり見ましたね。(ミロシュ・)ラオニッチ(カナダ)と(アンディ・)マリー(英国)の決勝戦は気になりましたし、(ロジャー・)フェデラー(スイス)のあのプレー(大逆転)とか、少しは(見ました)。

 こうやってマリーが優勝して、マリーの強さというのがこれからさらにまた出てくると思います。彼と(ノバク・)ジョコビッチ(セルビア)とが少しずつ近づいているので、自分にとってはあまり良いことではないんですけど。これからまたさらに変わっていくと思います。

 ラオニッチだったり(ドミニク・)ティエム(オーストリア)だったり、(ダビド・)ゴフィン(ベルギー)もそうですし、(テニス界の勢力図が)少しずつ変わり始めているなというのは言えます。

――同世代のラオニッチがウィンブルドン準優勝を果たした。

 ラオニッチは一番野心があるというか、周りに3人もコーチをつけて、常にトレーニングもしっかりやっているイメージがあるので、サーブだけストロークだけではなく、さらにネットプレーにもどんどん出てきたり、強くなっているなというのはプレーを見ていても感じます。確実にトップ5以内には簡単に来そうな気がします。

――ロンドン五輪の後(13年)からマイケル・チャンコーチに師事しているが、この3年間で変わったことはあるか?

 もう全部強くなったと思います。彼とやってきた3年、たくさん学ぶことがありましたし、テニス面、技術面、向上しているのは身にしみて感じますし、より強い気持ちにさせてくれたのも彼なので。より自分を信じることができたり、メンタル的にも彼といろいろなことを一緒にやってきて強くなったのは感じます。

 今ももちろんどんどん修正点は出てくるので、特にテニス的なところで直していかなきゃいけないところだったり、ここを伸ばしたらもうちょっと有利にいける、ということがどんどん出てくれる。それを彼が鋭い目で見つけてくれるので、そういうところはやっぱりすごいなと思います。

――マイケル・チャンコーチからの言葉で、最も印象に残っている言葉はあるか?

 言葉はあんまりないです。すみません(笑)。

五輪と四大大会は「別物」

――ポイントが付かない五輪への思いというのは、出場を重ねて自分の中で変化はあったか?

 単純にやっぱり、小さい頃から見てきた夢というか。一大イベントとして小さい頃からここに出たいなという思いが何となくあったので、それが今もモチベーションとしてあります。

 ポイントが付かないという点では、(ツアーとは)全く別の大会にはなってしまいますけど、五輪の場合は自分のお金で行かないので(笑)。国を背負って、国がサポートしてくれるので、その分やっぱり重みはあると思います。僕だけのことじゃなくて、日本全体が支援してくれて今の自分があって五輪に出られるので。

 やっぱりその分、日本になるべく良いニュースを届けられるように、全力でプレーできるというモチベーションが五輪にはあるので、四大大会とはまた違った意味合いがあるなという感じがします。

――ポイントが付かないということに、何か気になる点はあるか?

 ちょっと変に書かれるかもしれないんですけど、ポイントだけで言えば……素直に何も……いやーあんまり言わないほうがいいかな(笑)。やっぱり別物なので、なんとも判断ができないです。

 ポイントがないのは正直寂しいのは寂しいですけど、モチベーションが違うところにあるし、全く別物なので。なんとも言えないです。

――今回の五輪はマスターズの間に行われ、8月末には全米オープンもある。過酷なスケジュールを乗り切るには何が必要だと考える?

 3週間連続というのは楽ではないです。カナダからブラジルに行ってまた戻って、さらに時差もあるので。スケジュール的には楽ではないですけど、そこをなるべくうまく対応して、時差をしっかりと調整して、そういう細かい部分が体には効いてくるので、トレーニングして3週間しっかり乗りきれるようにしたいです。

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