眞鍋「日本オリジナルの戦術を準備する」 女子バレー リオ五輪メンバー発表会見

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会見後、眞鍋政義監督の囲み取材

五輪最終予選では佐藤(5番)がリベロ、座安(18番)がレシーバーを務めた 【坂本清】

――決断に至る経緯は?

 まずはやはり、今まで3年間のスコアだったり、近々の五輪最終予選だったり、このワールドグランプリだったりを総括して、先ほども言いましたけれども、目標を達成できる、五輪で一番輝いているメダルを獲得するという目標設定がありますので、その設定を達成できるメンバーを選考したと。非常にスタッフとも何十回も議論をし、その中で選考をしました。

――一番悩んだところ、迷った部分は?

 まずはパスヒッターを12名で3人にするのか、4人にするのかというところは一番悩みましたね。

――選手にはどのタイミングで、どういった形で伝えたのでしょうか?

 昨日、試合が終わりまして、ホテルで19人の選手を1人1人呼んで話をしました。

――どの選手とは言えないかもしれないが、どんな様子だった?

 いえもう、淡々と。五輪で世界一に向かって頑張ると。はっきりとした言葉で、短く終わりました。

――選手のリアクションは?

 19名の選手、普通に話を聞いて、いろいろな話をして終わりました。

――12名に一番求めるところは?

 先ほども言いましたが、12チームで恐らく一番背が低いでしょうから、まずは選手、スタッフでチームワークの重要性、そして熱い気持ちを持って残り40日、五輪の開幕で、最終的に(決勝の行われる)8月20日、目標達成できるようにというような思いですね。

――今後の活動としてはこの12名で臨んでいく? リザーブメンバーを入れるのか?

 いえいえ、この12名で次の合宿から五輪終了まで行います。

――あらためて、抱負を。

 最終的に12名の選考が終わりまして、本当に悩み苦しみましたけども、最終的には目標を達成できるように、そしてまた今回、最後のメンバーに入らなかった選手の思いを込めて、他の選手がコート上でいいプレーをしてほしいと思っております。

古賀はディフェンス力が大きな課題

――古賀選手の具体的な評価とポイントになった点は?

 まず古賀は昨年本当にW杯で大活躍をし、五輪予選では残念ながらあまりいい結果ではなくて、少しワールドグランプリでは復活したんですが、最終的にはこの選考には入らなかったと。

――攻撃力と守備面というところで言うと?

 やはりディフェンス力というところは彼女の大きな課題かなというふうに思っています。

――オポジットについて、江畑、迫田選手の評価は?

 そのポジションは長岡、江畑、迫田のうち、3人のうちどう考えても多くても2人かなと思っていましたし、反対に言えばそのポジションを1人にして、パスヒッターをもう1人入れるという案もありましたけれども、やはりその3人の中では迫田、長岡が今目標達成するためにはベストかなという判断をしました。

――木村選手の役割、期待は?

 特に木村は今回はキャプテンということで五輪を迎えますし、そういった意味では今までとは全く違う気持ちでこの3年間やっておりますので、チームワークの重要性、そこには木村が中心となって選手12名をまとめて、そしてスタッフと一致団結して五輪に臨みたいと思っています。

――4年前と比べて悩んだところは?

 4年前も悩みましたけれども、今回もやはり悩みましたね。

――チームワークにおいて、座安選手を認める部分があるのか?

 座安はご存知か分かりませんが、前回4年前、五輪最後に外れた1人でしたので、そういった意味で座安の日常生活のバレーに対する思いはすごいです。加えて、座安は12名に入っている方がチームとして目標達成できる可能性が高いかなという思いで選考しました。

――チームワークというのは勝つ、負けるという勝負の世界でどのように影響するものか?

 特にチームスポーツですから、ここが難しいところなんですよね。特に、前回もそうですけれど、今まで私8年目ですけれど、世界の強豪と試合をして勝つ時は間違いなく目に見えない力を発揮しないと、背の低い日本は勝てないと思います。それがやっぱりチームワークというのが、最重視するのかなと。そういった意味で、目に見えない力も踏まえて、特に五輪はそういいったことが数多く起きる大会と思っています。

――12人を絞ったのはいつくらいか?

 ホント、昨日の最終戦が終わって、このワールドグランプリ3週、毎週毎週、日本に残っているスタッフもいましたので、そのスタッフの意見も聞きながら、最後、昨日の試合が終わった時点で決めました。、

――ロンドン五輪を経験している選手と伸び盛りの選手がいると思うが、経験値のバランスはどこで重要視したか?

 最終的にはポジションが重なるところは長岡、迫田、江畑というところがありましたので、そこは前回から江畑がいましたけれども、3人から4人ですかね、12名中4人ぐらい残っていますから、そういった意味ではバランス的にはまあまあいいのかなと思ったりもしております。

チームワークは木村と荒木に期待

チームワークではキャプテンの木村沙織(左)と荒木に期待がかかる 【坂本清】

――レシーバーを大会で本格的に入れたのは五輪予選からだったと思うが、W杯を振り返った時にサーブレシーブが必要だと思ったのか、監督の中で必要だと思ったきっかけは?

 世界のバレーボールを勉強する中で、やはりサーブレシーブというところと、特にディフェンス力というところも考えて、やはりレシーバーを1人入れている方が、バレーボールはセットスポーツですので、だいたい国際試合セット15回くらいローテーションしますから、そのうちの3回をレシーバーが入るということは、後半大きなウエートがあるのかなと思います。

――今回、パスヒッターが大激戦だったと思うが、そこを勝ち抜いて残った鍋谷選手や石井選手に期待するところは?

 特に石井の場合はサーブレシーブもここ数年本当に安定してきましたし、ディフェンスもけっこう上げるんですよね。本当にディフェンス力は石井がいいポジショニングをしているというの数々ありましたし、今回の五輪予選もいいところで活躍してくれました。非常に五輪でも期待しております。

 あと鍋谷の方はなかなか監督からいくことはないんですけれども、彼女のムードというか、明るく本当に一生懸命する日ごろの態度、あとピンチサーバーとして必ず点数を取って、レシーブして帰ってくる。これは本当に日本ではただ1人の重要ポストなので、そういった意味で鍋谷も選考しました。

――鍋谷選手のサーブのどこが優れているのか?

 まず彼女はジャンプフローターで、的確に狙ったところに打てる。そして、前後にもサーブで揺さぶることは可能ですし、まあこれはなかなか言いにくいんですけれども、点数が入るんですよね。本当に不思議です(笑)。ずっと見ていると、鍋谷が入ると点数が入る。何でですかね、僕も分かりませんけれど、日ごろの行いなのか、そういったことも含めて鍋谷も選考しました。あとは勝負強いというのもあるのかなとも思います。

――チームワークという意味で、木村選手以外ではこの選手に期待しているという部分で入れた選手はいるのか?

 期待というか、当然、前回のキャプテンの荒木が今年から復活をし、当然、ロンドン五輪ではキャプテンという役職もしていましたから、そこは荒木と木村と2人でタッグを組んでチームワーク、あとチームワークの重要性というところを構築してほしいなとも思っています。

――前回はメダルをということだったと思うが、今回は前回メダルを取っていることで気持ちの違いはあるか?

 違いはないですね。前回の方が2010年の世界選手権で久しぶりに、32年ぶりに銅メダルを取り、11年のW杯では4位ですかね、ベスト4にずっと入っていましたから。今回は14年世界選手権7位、昨年W杯5位、ベスト4に一度も入っていないです。恐らく、世界のバレーボール関係者は日本がメダルなんて、誰も思っていないと思います。でも、まあまあ当然、五輪は何があるか分かりませんし、この目標を達成できるメンバーを今日12名、選考したつもりです。

――五輪予選が終わってからも、ワールドグランプリ京都大会に入る前も、このままでは五輪でのメダルは厳しいと何度も繰り返していたが、その真意は?

 先ほども言いましたが、世界の3大大会、ベスト4にも入っていませんし、世界は(日本とは)反対に身長が高くなっていき、絶対的なエースが各国出ている中で、そこを追求しても、すぐに大エースなんて出るわけありませんし、そういった意味で身長が低いというところをプラスに生かすしかない。そのためにはやっぱり、何回も言いますけれども、サーブレシーブを含めてディフェンス力、そこをプラスに変えないといけないという思いで、こういった選考になりました。

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