ハリルホジッチ「ばか正直すぎた」 キリンカップ決勝 キリンカップ決勝 ボスニア戦後の会見

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われわれのベースはスピード

ハリルホジッチ監督は「本当にがっかりしているし、怒っている」と語った 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

──大会前の合宿で本田が左ひざ裏を痛めた。これは監督が負荷をかけすぎたからか、それとも日本人はフィジカル的に弱いからか?

 フットボールのゲームの中ではけがが起きるものだ。何人かはトレーニングをしっかりして、何人かはしていなかった。海外組はシーズンが終わってから少し休んで、それからトレーニングをして調整していたが、国内組にはそうではない選手もいた。本田に関しては、ものすごくパフォーマンスは良かった。ただ、ゲームの中でボールを触るために、ものすごく高く足を上げて筋肉系のアクシデントを起こしてしまった。ただし、こういったことはすべて管理しているし、これまで筋肉のけがはなかった。海外組はシーズンを終えて、心理的にもフィジカル的にも疲れている中、彼らのトレーニングを管理するのはなかなか難しい。

 たとえば岡崎(慎司)は、シーズンが終わってから1週間〜10日は完全なオフだった。そのあと、また(代表で)プレーをしなければならず、簡単な調整ではなかった。こういったトーナメントのトレーニングの仕方は、タクティクス(戦術)もフィジカルも時間をかけないといけない。われわれの課題は、フィジカル的にしっかり準備されていなければならないということだ。われわれはダイレクトプレーでパワーを見せつけるチームではない。われわれのベースはスピードだ。パス交換のスピード。そしてディフェンスでは対抗しないといけない。われわれは2メートルの相手に対して、どういうプレーをしないといけないのか。相手はテクニックもあるし、ポストプレーもうまいので、守備は簡単ではなかった。いいレッスンだったと思う。

 ただ、私の選手はよくトレーニングをしてくれている。ここまで筋肉系(のけが)はまったく起きていなかった。本田のケースは初めてだが、起こった理由は分かっている。これは疲労ではなく、ある現象でたまたま足を高く上げて筋肉にアクシデントを起こしてしまった。フランス代表は4〜5人がけがをしている。完全に休んだ後、(トレーニングを)再開するのは難しい。それでも、6月のシーズンをどう準備するかは分かっているつもりだ。すべてのフィジカルテストもやったし、しっかりコントロールもできた。

──ルールが変わってから初めての試合だったが、選手に何か指示は出したのか。またルール改定についてどういう意見を持っているのか?(植田路生/フットボール批評)

 心の底から正直にいうと、何も考えていなかった(笑)。われわれには関係ないことなのかなと思っていた。ただ、レフェリーに合宿に来てもらって、しっかりと説明してもらった。私が説明を繰り返す必要はない。もっと重要なことがあったからだ。

もっとずる賢くならないといけない

──今日の試合では、前半はバタバタして3点くらい取られてもおかしくなかった。後半はコントロールできていた点について、どう評価するか?(後藤健生/フリーランス)

 おっしゃるとおり、相手はパワーで対抗してきた。相手の8番(アルミン・ホジッチ)が身長が一番低かったが181センチだ(実際にはイゼト・ハイロビッチが177センチ)。18番(ジュリッチ)と補完関係を作っていた。そして18番と8番に対して、われわれはパワーが足りなかった。特にCKで5人の190センチが入ってくる。すべてのCKが、われわれにとって危険だった。もっとマンツーマンでいかなければいけなかった。そして10番(ハリス・メドゥニャニン)がかなり引いて(ボールを)足元でもらってきたので、キヨにできるだけ高い位置でマークするように。そしてハセ(長谷部誠)には13番(マリオ・ブランチッチ)についてくれと。遠藤には8番をしっかりマークして、森重(真人)の近くにいてくれと指示をした。遠藤は空中戦もデュエルも強い。タクティクスに関してはよい選択をしたと思う。

 後半はしっかりとゲームをコントロールできた。相手に2点目を入れたシーン以外、危険な状況を作らせなかった。遠藤の入り方に関しては満足している。ゲームの状況によって、さらにコントロールしようとしたが、宇佐美の疲労が始まり、(長友)佑都も対応できなくなっていたので選手を入れ替えた。ただし、浅野の決定機は絶対に決めなければならなかった。キヨもそうだ。ちょっとしたことでチャンスを生かせなかった。そういったことも踏まえて、後半は負ける資格はなかった。慌てた状態で、最後のパスのコントロールもよくなかった。守備だけに満足していた。

 そして、こんなに攻撃したのに一度もFKがなかった。おかしなことを言っていると思われるかもしれないが、FKはもらいにいかないといけない。彼らはFKからのチャンスで(メジュニャニンのシュートが)バーをたたいたが、われわれはそういうシーンがなかった。われわれはばか正直。まだまだトレーニングしないといけないし、もっとずる賢くならないといけない。この2試合、最後の30メートルのところでFKがなかった。もう少し、フットボールをしないといけない。私にとって、そこはあり得ないと思うところだ。そういうところもトレーニングしていきたい。(ボールを)コントロールして、あえて転んでFKをもらうとか。

 今回の合宿で、あえてCKのトレーニングをしたが、ボスニアのほうがCKで2〜3回チャンスを作った。われわれにも評価すべき点はあったが、修正しないといけないところもあった。目をつぶってはいけない。この2試合、チームはかなりスペクタクルなものを見せてくれた。かなりハイレベルなアクションもあったし、キヨの1点目は素晴らしいプレーだった。2回目もできたと思ったが、GK(イブラヒム・シェヒッチ)がいいセーブをした。

 良いこともたくさんあったが、いいわけはしたくない。負けて満足してはいけない。本当にがっかりしているし、怒っている。負けたら、私は病気になってしまう。これはたぶん、私の責任だ。ただし良いこともあった。何人かは満足しているかもしれないが、私はノーだ。敗戦を簡単には受け入れられない。私は勝利しか求めていない。われわれのような良いチームでも、負ける可能性はある。われわれは仕事を続けるだけだ。

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