8cm劇勝マカヒキ“史上最高”ダービー馬 秋は凱旋門賞も視野「十分チャンス」
「スムーズに取った」中団の位置取り
皐月賞から一転、中団から鋭く脚を伸ばしたマカヒキ(右・黒帽)、サトノダイヤモンドとの一騎打ちとなった 【中原義史】
レースを振り返ってみよう。マカヒキのダービーでのポジションはちょうど中団。ほぼ最後方から直線一気の競馬を見せた弥生賞、皐月賞の印象が強すぎるだけで、マカヒキ自身、「一番の良さは賢さ。レースでは無駄なことをしないで、素晴らしい能力をしっかり発揮してくれる」と川田が評するように、気性面からも競馬が難しいタイプではない。ゲートさえ普通に出ればスマートな競馬ができる馬だ。
「皐月賞の2着は悔しいと言うよりも、申し訳ない思いでいっぱいでした。ですから、何としてでもダービーは結果を出したかったんです。パドックから返し馬まですごく落ち着いていましたし、キャンターに下ろした感じも皐月賞よりも良かったので、これなら大丈夫だと思っていました」
ゴールした瞬間、川田は「正直、勝ったかなと思った」という 【中原義史】
「まず、マカヒキがダービー馬になったことが何よりですね」
最終レース終了後の共同インタビューで発した川田の一言目。何よりも馬を最優先に考える職人肌のジョッキーらしい言葉だと思った。
「凱旋門賞は選択肢の1つです」
凱旋門賞にはすでに登録済み、「十分チャンスある」と友道調教師(右から2人目)は語る 【中原義史】
ただそんな中、チャンピオンホース・マカヒキはさらに1つ上のレベルを目指しているのだ。友道調教師が今後の展望について、こう明かした。
「近年稀に見る強い世代のダービーで勝てましたので、これからまた、さらに強いマカヒキになってほしいと思いますね。凱旋門賞にも登録しましたし、選択肢の1つです。斤量差もありますし、輸送してもテンションが上がる馬ではないですからね、十分チャンスがあるんじゃないかと思っています」
どの路線を歩むにせよ、マカヒキが主役となって日本競馬を引っ張っていくか 【中原義史】
個人的な思いで言うと、史上最高・史上空前と言われた3歳世代のチャンピオンなればこそ、ぜひとも凱旋門賞に挑戦してほしい。でも、いずれの道を選ぶにせよ、マカヒキの動向、そしてマカヒキ世代各馬の動向が、これからの日本競馬をより面白くしていくのは間違いない。
来週から2017年ダービー馬を目指す戦いが始まる
来週からまたどんな新星が飛び出すのだろう? 2013年生まれ世代以上に白熱することを願って、2017年ダービーロードの開幕を心待ちにしたい。
(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)