8cm劇勝マカヒキ“史上最高”ダービー馬 秋は凱旋門賞も視野「十分チャンス」

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2013年生まれ6913頭の頂点に

川田騎乗の2番人気マカヒキがダービー制覇、6913頭の頂点に 【中原義史】

 3歳馬の頂点を決める競馬の祭典、第83回GI日本ダービーが29日、東京競馬場2400メートル芝を舞台に争われ、川田将雅騎乗の3番人気マカヒキ(牡3=栗東・友道厩舎、父ディープインパクト)が優勝。中団追走から最後の直線で鋭く脚を伸ばすと、クリストフ・ルメール騎乗の2番人気サトノダイヤモンド(牡3=栗東・池江厩舎)との叩き合いをハナ差(約8センチ)制し、2013年に生産されたサラブレッド6913頭(持込馬、輸入された外国産馬を含む)の頂点に立った。良馬場の勝ちタイムは2分24秒0。

 マカヒキは今回の勝利でJRA通算5戦4勝、重賞は2016年GII弥生賞に続く2勝目。騎乗した川田は10回目の挑戦でダービー初勝利となり、史上8人目のクラシック完全制覇。同馬を管理する友道康夫調教師は4頭目の出走でダービートレーナーの仲間入りとなった。

 なお、1番人気に支持されていた蛯名正義騎乗の皐月賞馬ディーマジェスティ(牡3=美浦・二ノ宮厩舎)は、2着サトノダイヤモンドから半馬身差の3着に敗れ、二冠制覇はならなかった。

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川田の涙、迎える歓声と拍手、これがダービーというレース

電光掲示板に点った「3」を見た瞬間、川田の目に涙があふれた 【中原義史】

 電光掲示板の1着にマカヒキの馬番「3」が点灯した瞬間、あの冷静な川田も我を忘れてしまったようだ。

「なんと言うんでしょうか、ただ、ただ、感極まったんだと思います」

 天を見上げたその目からこぼれ落ちる涙。14万人に迫る大観衆は拍手と歓声で迎え、ジョッキーは何度も何度もお辞儀をしながら、祝福の声に応えていた。このシーンを見れば、ダービーというレースがどのようなものなのか、分かってもらえるだろう。それほどまでに感動的な場面だった。

 今年もダービーが終わった。2013年生まれの3歳馬6913頭の頂点を決める戦い。この「6913」という数字。一見してもちろん多い数字なのだけど、この10年の推移を見ると、実は年々頭数が減っている。JRAのデータによると、メイショウサムソンが二冠を飾った10年前の2006年は8823頭、フサイチコンコルドが衝撃の末脚を見せた20年前の1996年にいたってはなんと1万256頭もの競走馬が生産されていたのだ。

 10年前、20年前と比べると、明らかに分母が減っており、確率から言えばそれだけダービー馬への競争率も低くなっている。では、だからと言って、10年前と比べて簡単にダービー馬になれるのか? と言うと、そうではない。必ずしも分母の量と質は比例しない。事実、2013年生まれ組は昨年の2歳戦からハイレベルな戦いを繰り広げた結果、今年のダービーは“史上最高レベル”とまで言われていたのだ。

 そして、レースの内容自体も、その“史上最高”の触れ込みにふさわしく、ダービー史に大きなインパクトを残す名勝負となった。

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