冷笑を喝采に代えたヤングジャパン ラグビーアジア選手権で優勝
昨年のW杯出場選手はゼロ
アジア選手権で優勝した日本代表。FL金正奎は鋭い動きで攻守に活躍した 【斉藤健仁】
2016年春のラグビー日本代表のカレンダーは例年とは違っていた。昨年のW杯で3勝を挙げたエディー・ジャパンのメンバーを軸としたサンウルブズが2月からスーパーラグビーに参入。日本代表メンバーの中には海外のスーパーラグビーチームやイングランドでプレーした選手もおり、すでに代表辞退を表明している選手もいた。
そのため、例年通り、4月から始まったアジアのトップ3カ国対抗である「アジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)」に日本代表は、サンウルブズで出場機会の少ない選手、トップリーグの若手を中心に大学やU20年代の有望な選手で臨んだ。「結果を出すことを重視して強化していきたい。(6月の)スコットランド戦に向けたセレクションとして将来性だけでなく、現時点で力のある選手をピックアップした」(中竹竜二HC代行)
短い準備期間で韓国、香港を圧倒
東海大2年のアタアタ・モエアキオラは香港戦で2トライを奪った 【斉藤健仁】
アジアレベルの試合ではあるが、エディー・ジャパン時代とさほど遜色ない結果を残した。
どうして短期間でまとまり、力を発揮できたのか――。
SO中村「上しか見ていないのが、このチームの良さ」
SO中村亮土「失うものがなかったので思いっきりやるだけでした」 【斉藤健仁】
SH内田啓介主将は「みんなが、(エディー・ジャパン時代とは違って)エリート集団ではなく、2番手の選手が多く、『(日本代表が)こんなやつらでいいのか』と言われていた中で団結は早かった」と境遇面を理由に挙げれば、SO中村亮土も「やっている方は日本代表でしたが、個々を見たら、失うものがなかったので思いっきりやるだけでした。上しか見ていないのが、このチームの良さだと思った」と言うように、2019年のW杯に向けてより成長したい、強くなりたいという強い思いがチームを団結させた。