熊本出身・正代が台風の目になる活躍を 元若の里、西岩親方の夏場所展望

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宇良が居反りを“解禁”する相手は?

自己最高位の東前頭2枚目で夏場所を迎える正代 【写真は共同】

――先場所の琴勇輝のように台風の目になりそうな力士はどうでしょう?

 正代ですね。かなり力をつけています。大学卒業後に入門して、序ノ口から十両までは所要10場所と時間がかかりましたが、そこからは5場所でもう東前頭2枚目まで来ましたね。体も一回り、二回り大きくなりました。取り口としては四つの型はまだ完成しておらず、右でも左でもいけますし、先場所はもろ差しも多かったですね。押し相撲ではなく、四つに組むのですが、そこから投げを打つのではなく、前に出ます。いい意味で型にこだわらない相撲で、それが魅力ですね。

――正代は先日の熊本地震でも被害を受けた熊本県宇土市出身です。

 ほかのスポーツでもそうですが、力士が被災地に勇気を与える方法はよい相撲、感動する相撲をとることだと思います。今場所の正代は横綱、大関全員と当たる地位にいます。熊本のためということも思って、いい相撲をとってほしいですね。

――今場所の注目、というと十両に宇良が上がってきました。

 少し苦労すると思ったのですが、すんなりと上がってきましたね。現在が173センチ、127キロですが、この1年で大きくなりました。居反りについては、木瀬親方も解禁を示唆していたようですが、相手の懐に入って反り上がるようにして、体を持ち上げる居反りとなると、体重の重い力士を相手には難しいでしょう。決めやすいのは身長があって、比較的軽い力士。出羽疾風、朝赤龍あたりでしょうかね。私の付け人をしてくれた輝も危ないですね(笑)。

 小兵の力士が活躍すると相撲全体が盛り上がります。十両にあがったばかりで「さらに上を目指せ」と言うのは酷かもしれませんが、NHKで全国中継される幕内で活躍してほしい。そうすれば、より相撲界が盛り上がってくれるでしょう。

元若の里、西岩親方プロフィール

本名・古川忍。1976年7月10日生まれ。青森県弘前市出身。中学卒業後に鳴戸部屋に入門。92年3月場所で初土俵、98年5月に新入幕。その後、2001年1月場所で関脇に昇進し、大関候補として期待されるが、度重なるけがに泣き、大関昇進はならなかった。幕内在位は87場所、歴代7位となる914勝を挙げた。西十両11枚目で迎えた15年7月場所で負け越すと、翌9月場所前に現役引退を表明し、年寄・西岩を襲名した。

引退相撲で元高見盛と最後の対戦(PR)

世界チャンピオンの河野公平(右)、田口良一(左)とトレーニングを行った西岩親方 【スポーツナビ】

 平成4年(1993年)春場所で初土俵を踏んで以来、23年半の力士人生に若の里が幕を下ろす。最後の花道を飾る一番は元小結・高見盛の振分親方。同じ青森県出身の同学年で約30年に渡り切磋琢磨しあったライバル対決に。夏場所前にはワタナベボクシングジムで現役世界チャンピオンを相手にスパーリングをこなすなど、調整は万全。果たしてどんな取組が見られるか!?

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