ロッドマン「ジョーダンが史上最高選手」 NBAプレーオフ展望と日本への助言

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すでに世代交代は進んでいた

今季レギュラーシーズン最終戦で60得点を挙げ、20年の現役に終止符を打ったコービー・ブライアント(中央) 【Getty Images】

――少し話題を変えて今後のNBAについて。コービー・ブライアントが現役最後の試合で、コービーらしい60得点を挙げる活躍で自身の引退に華を添えました。彼との何か特別な思い出があれば教えてください。

 ブルズ時代にシカゴのバーでテレビを見てたら、ユタ・ジャズ戦の勝負どころで当時18歳のコービーがエアボール(編注:シュートがリングやバックボードにかすりもせずに外れること)3連発をしたんだよね。(それでも出場させていたのは)チームがそれだけ彼に信頼を置いていたという証しでもあるけれど驚きだった。まぁ他に誰もいなかったけれどね(笑)。

 そこから成長を続け、マジック・ジョンソン、エルジン・ベイラー、チェンバレンなど歴代のレイカーズの偉人たちを追い抜き、5度のチャンピオンに輝いた。コービーだけが20年もプレーした。

――コービー引退によって一つの時代が終わりました。今後NBAはどのように進化していくと思いますか? 新しい世代の選手たちへの期待も教えてください。

 すでに世代交代は進んでいたと思う。この2年間コービーはあまりプレーできていなかったしね。昨年で引退すべきだったという人もいるし、今年はレイカーズの若手の成長を犠牲にしているという声もあった。

――現役選手であなたの一番お気に入りの選手は?

 実はこいつだっていうのはいないんだよ。強いて言うならディアンドレ・ジョーダンかな。身長は自分より高いが、プレースタイルが多少似ているし。あとはラッセル・ウェストブルックかな。

日本に足りないのはマーケティング力

――日本のバスケットボール界について、何か知っていることありますか?

 実は昨日その話をしていたんだ。野球、サッカー、ラグビーの次に人気なんだって? びっくりしたのはテレビで卓球をやっていたこと。会場も満員だし。応援も熱狂的だし、なんてスポーツに熱い国なんだと思ったよ(笑)。

――日本は小柄な選手が多いのですが、あなたもNBAの中で、特にフォワードのポジションとしては決して体格に恵まれていたわけではなかったと思います。日本人選手が国際舞台で戦う上で、何かアドバイスがあればお願いします。

 身長に関係なく、優れた選手は優れた選手だよ。ジェレミー・リン(191センチ)だってそうだろ? 殿堂入りが決まったヤオ・ミンは9フィート(2メートル74センチ)だっけ(笑)?(編注:実際には7.6フィート=2メートル29センチだが、冗談で大きく表現している)情熱があってバスケが好きならとにかくプレーをすることだ。頑張り続ければ、誰かがその才能を発掘してくれることもある。

――最後の質問です。野球とサッカーに比べてバスケットボールはまだ日本に根付いているとはいえない状況です。どうすれば人気を上げられますか? 何がNBAと違うのでしょうか?

(即答で)マーケティングだよ。NBAはグローバルだよね。例えばリンのケースでいうと、チームメートがけがをするまで誰も彼のことを知らなかった。けれど、10試合たった時には世界中の誰もが「あぁ、あの小さい選手だよね」という状況に変わった。(指を鳴らしながら)一瞬だよ。NBAは選手のマーケティングに力を入れることによって、世界中で「彼ができるならオレもできる!」という流れを作っているんだ。

デニス・ロッドマン

現役時代はリーグ屈指のディフェンダーとして、全米中から注目を集めていたデニス・ロッドマン 【Getty Images】

 1961年5月13日、米国出身。1986年、ドラフト2巡目27位でデトロイト・ピストンズへ入団。1989−90シーズンには3年連続でファイナルに進出。この年、2年連続の優勝を決めると、NBA最優秀守備選手賞に輝く。翌90−91シーズンにも同賞に輝き、2年連続でリーグ最高のディフェンダーとして認められる。その後、サンアントニオ・スパーズを経て、95−96シーズンにシカゴ・ブルズへ入団。マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペンと最強トリオを形成し、3シーズン連続でチャンピオンリングを獲得した。その後は、ロサンゼルス・レイカーズ、ダラス・マーベリックスを経て、2000年に現役を引退。91−92シーズンから7年連続でリバウンド王に輝くなど、リーグ屈指のリバウンダーとして活躍を見せた。髪をカラフルな色に染めて全身にタトゥーを入れ、コート内外で数多くの騒動を起こしたことでも注目を集めた。

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