NFL入りが期待されるアメフト選手 庄島辰尭、日本人未踏の地での挑戦

永塚和志

「UCLAでプレーできるのはとても良い経験」

4月23日に行われる“スプリング・ショーケース”と呼ばれる春の紅白戦に向け練習に取り組む庄島(背番号58) 【永塚和志】

 昨季は、試合に出場できないレッドシャーツ(練習生)として過ごした庄島は選手としては3年生ということになる(学業面では4年生扱い)。16年シーズンは彼にとって事実上の初年度となるが、現地4月23日に行われる“スプリング・ショーケース”と呼ばれる春の紅白戦があり、非公式戦ながらこれがUCLAでの初の試合となる。公式戦は秋のシーズンからだが、紅白戦といってもUCLAほどのメジャーカレッジとなれば熱心なアメフトから注目され、テレビ中継もある。

 憧れのUCLAでのプレー。だが当の庄島自身は、過去に幾人ものNFL選手を輩出してきた有名校でのプレーに浮かれてはいない。サンタモニカカレッジも過去に幾人ものNFL選手を輩出するなど、2年制大学としては全米的に知られる強豪校だが、「やはりUCLAのようなディビジョン1(1部)のチームとなると、バケモノのような選手がたくさんいて、ジュニアカレッジと比べるとレベルもグッと上がる」(庄島)と身を引き締める。しかし、アメフトのレベルが上がるのは編入してきた時から承知の上で、不安はない。むしろ「その中でプレーできるのはとても良い経験だとポジティブに捉えています」と笑顔を見せる。

U−19日本代表にも選出

 名前の「尭」の音読み「ギョウ」から転じて「ジオ」の愛称を持つ庄島。米国で育ち身体の大きさは米国人に引けをとらないが、中身はかなり真面目な青年だ。日本人以上に日本人らしい、とさえ言える物腰や雰囲気を備える。実は日本でも、米国の高校へ4年間通った後で都立西高校で1年プレーし、その間に日本代表として12年のU−19世界選手権にも出場しており、そこで得た経験も生かしていくつもりだ。

「基本に忠実なところだったり、集中力、細かいところに気を配ることができるのは日本人の優れているところだと思うので、そういったことを間近に学ぶことができたのは今の自分にも生きています」と庄島は丁寧な口調で話す。

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著者プロフィール

茨城県生まれ、北海道育ち。英字紙「ジャパンタイムズ」元記者で、プロ野球やバスケットボール等を担当。現在はフリーランスライターとして活動。日本シリーズやWBC、バスケットボール世界選手権、NFL・スーパーボウルなどの取材経験がある

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