バスケ代表の新愛称は「AKATSUKI FIVE」 世界を照らす日本になる。がコンセプト

スポーツナビ

当初は男子を「ブラック」、女子は「レッド」と呼ぶ可能性も

「暁、日本の夜明け、勢いがありこれからどんどん伸びていく」と新ネーミングに期待を込めた川淵会長 【スポーツナビ】

 以下、質疑応答。

登壇者:
川淵三郎(日本バスケットボール協会 会長)

――新しいニックネームにしようとなった発端が、女子と男子が一緒だったからということだったが、結果男子と女子が一緒になった。なぜこれを選んだのか? また他の候補なども可能であれば教えてほしい。

 隼は勇猛でスピード感があって確かにバスケにふさわしいけれど、女性の名前としてはふさわしくないということで変えたらどうかと言った。動物でいった場合は隼との対比であったり、いろいろなことで難しかった。生き物ではない形のネーミングの方がいいということで暁、日本の夜明け、勢いがありこれからどんどん伸びていく、ということでどうだろうかとなった。

 当初、男子はブラックと言う名前をつけて、女子はレッドと言うのでどうだろうという案があったが、共通のネーミングにしても(ロゴの)色で分けられるということできまった。(男子と女子が)全く同じという感覚ではないからいいんじゃないかということで、最終的に決まりました。僕が決めたわけでなく、若い人のセンスを使うべきで、若い人の感性から見た場合にどれがいいのかを考えて決めました。そして、他に良い候補はほとんど無かった。AKATSUKIが一番良いということで、全員一致に近い形で決まりました。

――今、世間ではバトミントン選手の賭博行為の問題が話題になっている。改めて日本を背負っていくバスケットボール選手に求めたいことがあれば教えてほしい。

 選手教育をいかにしっかりジュニア時代からやっていくかに尽きます。そういう教育がされてなくて有名選手になったり、世界で活躍するようになると、自分の生き方そのものが世間に認められたような誤解を生んでします。そういったことが、今回の場合はああいう結果として出たと思います。

 団体競技はチームの中で監督や社長以下が、日ごろから選手の行動に対して厳しく、こういう経緯があってそういう人との付き合い、社会人としてやってはいけないことの教育が行われている。けれど、個人競技はコーチ任せになってしまっている。また、団体競技といえどもそういう可能性がゼロではない。

 ではチームの除名や選手への措置について、懲罰規定があるのかないのか。この機会に日本トップリーグ連携機構で調べました。そうしたらほとんどないんです。ルールが完備されていない。今回を契機に、各競技団体が選手、人間としての最低限の生活態度を指導していくべきだと考えています。

 サッカーの場合は日本サッカー協会をはじめ、仮にサッカー選手にならなかったとしても人間的にしっかり成長する、社会性を持った人間にしたいという基本的な考えがある。われわれとしてはそういうことについて自信を持っているつもりだけれど、年に1回2回の講義をしたから分かっているだろうということではなく、みんなで常に意識していかなければいけない。そういうことに対してスポーツ界は全体的に甘い。正直に言って甘いと強く思っています。これを契機に本当に絶滅させなければならないし、スポーツをやっている人が、何となく一事が万事でこういうことをやっている人が多いと思われるのは非常に悔しいです。全部の競技団体がそういう意識を持って、人間として、社会人としていかにしっかりと生きていくかという教育を関係者はやっていくべきだと思います。

 一つの例を申し上げたいが、みなさんは元西武ライオンズの大久保(博元)選手のコメントを聞かれましたか? 大久保選手は、当時のGMに新人のときから口酸っぱく、「ただ飯を食うな」と言われていたらしいです。最初のうちは「大久保さん」と言ってくると。そのうち何べんも食事に行っているうちに「大久保くん」になり、しばらくすると「大久保」と呼び捨てになる。最後は「お前」ということになる。そういうことにならないようにと大久保選手はずっと注意されていたそうですよ。初めの段階でいかにしっかり教育されているかです。

 もうひとつ例を挙げると、スペインの関係者から聞いた話ですが、(サッカーの)バルセロナが優勝して、ある自動車メーカーから「好きな自動車を提供する」と言われたんだそうです。そうすると、バルセロナ(の下部組織)で育った選手でなく、他のチームから移籍してきた選手が一番高い車種を選んだそうです。その時に、バルセロナ(の下部組織)出身の選手が「選手として最高のものを選ぶのはおかしい。中くらいのランクの謙虚だなと思えるような車種を選ぶべきだ」と、選手が選手に注意を与えたと言うんですよ。これを聞いてバルセロナの教育はすごいんだなと思いました。それぐらいクラブが選手に対して社会的な考え方をきちんと教えている。日本はそういうところがまだ十分ではないとすべての人が認識するべきです。「自分のところは大丈夫だ」とだいたいが思うんです。でも、一から見直して、しっかりと若い選手の教育をしていく、それに尽きると思います。なんか最後、怒って終わったような感じになっちゃったな(笑)。

女子日本代表参加選手コメント

会見に登壇した女子日本代表選手。左から吉田、山本、渡嘉敷 【スポーツナビ】

吉田亜沙美(JX−ENEOSサンフラワーズ)

(ニックネームは)まだ慣れていませんが、このニックネームを日本のファンの皆さんに覚えてもらいたいです

(リオ五輪に向けて)メダルへの挑戦ということで、合宿もきつくなっていくと思いますし、選手一人一人が成長していく合宿にしたいと思います。見ている方に感動と勇気を与え、バスケットボールをメジャーな競技にしていけるように、五輪では精いっぱい選手として頑張ってきたいと思います。


渡嘉敷来夢(JX−ENEOSサンフラワーズ)

(ニックネームを)昨日初めて聞いたのですが、すごく覚えやすく、昨日から自分も「AKATSUKI FIVE」と呼んでいます。

(暁に夜明けという意味があると聞いて)最初にロゴを見たときに日の出というイメージを想像しました。そのように、バスケットもスポーツも輝いていけるようになりたいと思います。この名前に恥じないように、これからバスケットは輝いていくと思うので、よろしくお願いします。

(リオ五輪に向けて)私は昨年と同様、WNBAに挑戦するのでチームは離れてしまうのですが、日本代表の一員として、代表のみんなに負けないように、しっかりと自分磨きをしたいと思います。自分を磨いて、五輪の舞台で自分も、日本代表もバスケットを世界の舞台で表現できるように頑張りたいと思います。チーム全員でメダル獲得を目指して頑張りたいと思います。


山本千夏(富士通レッドウェーブ)

(AKATSUKI FIVEという名前の)意味が日の出の勢いということなので、自分もプレーで勢いを出して盛り上げていきたいと思います。(リオ五輪では)メダルを取るために全員で戦って、必ずメダルを取れるように頑張りたいと思います。

男子日本代表参加選手コメント

会見に登壇した男子日本代表選手。左から竹内、比江島、田臥 【スポーツナビ】

田臥勇太(リンク栃木ブレックス)

 新しいネーミングに決まり、ユニホームも新しくなったことで、また代表への思いが一段と強くなりました。(ユニホームも新しくなり)自分たちにとってはプラスなことだと思いますので、この勢いを力に変えていきたいと思います。

(リオ五輪世界最終予選は)アジア大会以上にレベルが高く、厳しい大会になると思っています。ただ参加するだけでは意味がなくて、自分たちは勝ちにいくことだけを考えています。チーム全員が必死になってやっていきたいと思っています。


竹内譲次(日立サンロッカーズ東京)

(新ネーミングの)AKATSUKIというのが夜明けを意味していて、来年度から新リーグが始まる自分たち男子バスケットーボールチームにマッチしていると思います。すごく気に入りました。

 世界最終予選で戦うチームは日本より格上のチームです。川淵会長に「奇跡を起こせ」と言われたので、奇跡を起こせるような準備をしっかりとして、田臥選手が言ったように勢いを持って大会に臨みたいと思います。


比江島慎(アイシンシーホース三河)

(新しいネーミンが決まり)新たなスタートだと思いますので、しっかりとチャレンジして、気を引き締めてやっていきたいと思います。

(ユニホームも変わるなど)どんどんバスケット界が変わってきているので、チャレンジをする甲斐があります。日本代表がしっかりと結果を出して、僕たちが引っ張っていきたいと思います。

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント