北島康介が抱えていたかすかな不安 問われる精神力、200平で最後の勝負へ

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「気持ちの整理をつけて」臨む200平

残す五輪出場のチャンスは200メートル平泳ぎ。「崖っぷち」に立った北島は気持ちを切り替えられることができるか 【奥井隆史】

「残念です。昨日のような攻めの泳ぎができていなかったので、僕の方でも念押しが足りなかったと反省しています。昼のウォームアップも決勝前も状態が良かったので『集中していきなさいよ』くらいしか言わなかったんですけど、もう少し細かい確認をする必要があったかもしれません。絶対的な自信が足りていなかったのかなと思います」

 北島を指導する平井伯昌コーチは、レース後にそう悔やんだ。「過去最高の仕上がり」と平井コーチ自身も手応えを感じていただけに、100メートルで出場権を取れなかったことは痛恨だろう。

 幸いまだ200メートルが残っている。再び小関、立石らと争うことになるが、北島は希望を捨てていない。

「(100メートルの結果を受けて)200メートルの練習をやっていて良かったなと心から思えます。今までは恐怖心があったんですけど、出場権を取れるという自信をつけるくらいの練習はしてきました。本当は100メートルで代表を決めて弾みをつけて臨みたかったんですけど、もう1回気持ちの整理をつけて頑張りたいと思います」

「最後の勝負」と公言して臨んだこの日本選手権。もし次の200メートルでも出場権を取れなかったら、その時点でリオへの挑戦は幕を閉じる。問われるのは集中力や不安に打ち勝つ精神力だ。日本に多くの栄冠をもたらした“五輪の申し子”の大勝負が、国内で終わってしまうのはあまりにも寂しすぎる。

(取材・文:大橋護良/スポーツナビ)

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